2021年春、テスラはドイツの一部のパワーウォール所有者に対して、独自の電気料金の提供を開始しました。同社は、ベルリンでの自動車工場の建設とともに、独自の機器やソフトウェアを使ってドイツの電力市場に大規模に参入する準備を進めています。
これは、遅くとも2022年までには実現すると言われています。
Handelsblattは、テスラのドイツ電力市場への参入について、興味深い情報を伝えています。それによると、同社は遅くとも2022年初頭にはドイツ全土の顧客に電力サービスを提供する意向だということです。
「テスラでは、ドイツ全土での電力市場参入が計画されています」
現在、テスラはバーデン・ヴュルテンベルク州とバイエルン州の2つの州で電力サービスを提供しています。クリーンエネルギー事業者であるオクトパス・エナジー・ジャーマニーは、2021年春にテスラの電気料金プランの提供を開始しました。同事業者のウェブサイトによると
- テスラのエネルギープランは「対称的」な料金体系です。すなわち、24時間365日の買電料金と24時間365日の売電料金が同じです。対称的な買電/売電価格は、お客様の地域に応じて設定されます。
- 24時間365日の買電料金は0.10~0.12ポンド/kWh(地域により異なる:15.12円/kWh〜18.14円/kWh)-市場で入手可能な最も低い定額料金です(2021年5月現在)。
- 24時間365日の売電料金は0.10-0.12/kWh
- (地域により異なる:15.12円/kWh〜18.14円/kWh)-市場で最も優れた固定S.E.G.料金を100%以上上回る設定です(2021年5月現在)。
- スタンディングチャージ(固定料金)は1日あたり0.22ポンド(33.26円)です。
現時点では、屋上に太陽光発電システムと家庭用蓄電池(パワーウォール)を設置している顧客に限定して提供しています。このような家庭を組み合わせ集積することで、テスラは仮想的な発電所(ヴァーチャルパワープラント:VPP)を作り、ソフトウェア「Autobidder」(オートビッダー:テスラが開発した電力管理ソフトウェア)で管理することができます。
オートビッダーは、価値に応じた資産管理とポートフォリオの最適化を実現するリアルタイム取引・制御プラットフォームで、オーナーやオペレーターは、事業目的やリスクの好みに応じて、収益を最大化する運用戦略を設定することができます。
つまり、テスラは、独立系発電事業者や電力会社、資本パートナー、そして自分たちのために、蓄電システムに蓄えられたクリーンなエネルギーを管理し、収益化するためのソフトウェアを開発したのです。
ハードウェアからソフトウェアまですべてを備えたテスラは、地域の電力事業者にとって大きな脅威であり、ドイツを大いに刺激することになるでしょう。しかし、持続可能なエネルギーへの移行を加速させることを目的とするテスラにとって、エネルギー事業者になることは必然的な未来だということです。
この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。
自動車やスペースXが話題になり、この「再エネ電力事業者としてのテスラ」はあまり言及されませんが、既存のエネルギー事業者にとっては非常に大きな脅威となると思います。
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