テスラが修理・サービス体験を大幅に改善する方法

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今年のいくつかの記事で、私の同僚と私は、顧客の極端な修理請求につながるテスラのサービスと修理の問題のいくつかを取り上げました。そのいくつかを紹介した後、この問題を解決するためにテスラが採用し、おそらく改善できるであろう、業界標準の修理方法について説明します。

問題点

私に起こった事件は、モデルYの試乗中に同乗者の一人が嘔吐を我慢できなくなり、シートを汚すこととになりました。その結果、テスラの従業員から「シート全体を交換する必要があるかもしれない」と言われたのです。テスラのサービスセンターでは、小さな部品の修理や交換をしていない場合が多いので、シートベルト留め具のひとつに少量の嘔吐物が入っただけで、シート全体の代金を請求される可能性がありました。他の車であれば、シートベルトの留め具は100ドル以下で交換できることがほとんどです。家族がいる人にとって、クルマ酔いで嘔吐することは避けられないことなので、ちょっとした汚物で大きな修理代がかかるのは、あまりいいことではありません。

私はこれを『スター・ウォーズ エピソード4』のデス・スターに例えました。あの映画では、主人公たちが巨大な宇宙ステーションの排熱システムの弱点を突いて、戦闘機のような小さな宇宙船が月の大きさの宇宙ステーションを一発で吹き飛ばしてしまいます。

この件についてテスラから連絡があったわけではないし、この件で保険金を請求した人もいないので、修理方法がわかったのか、それともこれ以上悪い評判を立てられたくなかったのか現時点では不明です。とはいえ、普通なら30〜50ドル程度で直せることを、多額の請求書で脅されたという事実は、やはり非常識です。

同僚のジョー・ボラスは、テスラのサービスセンターがとあるモデル3のドライバーに出した1万6,000ドル(約177万円)の修理代について論じたとき、さらに大きな「デススター型の弱点」を発見しました。そのドライバーは、避けられないときに誰もがするように、道路に落ちているゴミを轢いてしまいました。不幸にも、その破片が車両底部のプラスチックパネルを破り、バッテリーパックの冷却水接続部に衝突して破損したのです。テスラのサービスセンターでは、それがバッテリーパックの一部であると判断し、パック全体の交換が必要であるとし、先程の超高額の見積もりに至ったのです。なぜか?サービスセンターではバッテリーパックを開けることはできず、交換しかできないという事情があるからです。

これでは、パック交換費用が車両時価の半分を超えてしまい、車は全損扱いになってしまいますが、このモデル3のオーナーはセカンドオピニオンを求めることにしました。YouTubeで「Rich Rebuilds Channel」を運営しているリッチ・ベノワに相談したのです。ブノワは独立系のEV修理ショップ「Electrified Garage」を経営しており、オーナーは遠方にもかかわらず、州を越えて車を牽引してもらい、リッチから非常に安価でより良い修理見積もりを出してもらいました。

その結果、バッテリーパックのクーラントシステムの修理がわずか700ドルで修理できることがわかりました。Electrified Garage社は、テスラのクーラントシステムの圧力はそれほど高くないので、標準的な配管方法で亀裂の入ったチューブを修理できることを発見しました。亀裂が修復され、新しい冷却水がシステムに戻されると、車は何事もなかったかのように走り出しました。

ジョー・ボラスと同様に、同僚のスティーブ・ハンリーも「修理権」の問題を詳しく説明してくれました。多くのメーカーは、独立した修理工場やオーナー自身が製品を修理することができないようにしています。その結果、そのような一種の妨害行為に反対する運動が起こり、政府の動きも活発化しています。多くの場合、消費者は、コンピューター・インターフェースへのアクセスや、オリジナル・メーカー以外から部品を入手できること、そして独立したメカニックや修理工場ができるだけ効率的に作業できることを望んでいます。

自動車メーカーは、第三者による修理やコンピュータへのアクセスに対して、著作権や安全性/統合性を主張し、これに抵抗することが多くなっています。このような行為が消費者のコスト負担にならないようであれば一理あるとも考えられます。

車を自分自身で修理したい人に対するテスラの扱いの悪さについてもっと知りたいなら、Rich Rebuildsの以下のビデオをチェックすることをお勧めします。かつて熱狂的に支持していた人に対する扱いはとてもひどいものです。

テスラが目指すべき方向

比較的軽微な問題で高額な修理代が発生しないようにするために必要な物流面での変更について説明する前に、テスラ社内で起こるべき変化について説明する必要があります。根本的な問題は、テスラ社が全ての車両をコントロールしようとしていることであり、本来であれば車両をユーザーの所有物のように扱うべきなのです。

テスラにはこれをしない理由がいくつかありますが、理解すべきことは、自動車は単なるソフトウェアではないということです。車は車であり、人々は何世代にもわたって自分の車をコントロールすることに慣れ親しんできました。コントロールできないという考えは、多くの自動車所有者にとって異質であるだけでなく、不快なものです。

テスラは「修理する権利」運動にしっかりと賛同し、修復歴のあるテスラの所有者を虐待するのをやめ、独立した修理工場など、誰もが自分で修理を行うために必要なものを提供する必要があるのです。他のメーカーのディーラーの部品売り場に行けば、誰でも質問なしに車の部品を購入することができます。

テスラが車両の修理にモジュール方式を採用したいと考える理由は理解できますし、それはテスラが今後も続けていくであろうことでしょう。バッテリーパックやドライブユニット、複雑な内部構造などを、すべてのサービスセンターが深く掘り下げることは、サービスセンターレベルで多くのコストと複雑さを増すことになり、それを避けることには大きな意味があります。

修理費用が新品のように膨らまないようにするために、テスラは「レガシー」自動車の例に習って、再生部品や再生産部品を採用しています。

例えば、バッテリーパックが破損した場合、顧客に新品の購入を要求するのではなく、再生品を注文することができるような環境を整えるべきです。そして、破損したパックを別の場所に送り、そこで修理を行い、次にパックを必要とするユーザーに提供できるようにするのです。新品のパックに16,000ドルを支払う代わりに、再生産されたアセンブリにはその数分の1しか支払う必要がないでしょう。特に、パックの残りの部分をすべて再生産に回すことを考えればなおさらです。

再生産は、工場でも、専用施設でも、あるいはこの種の作業をすでに行っている第三者の再生産会社でも行うことができ、誰がやっても少しは利益になるでしょう。

もしテスラがこれらのすべて、あるいはそのほとんどを行うことができれば、それは顧客にとって大きな価値となるでしょう。そうなれば、私も1台購入するかもしれません。

この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。

日本では、そもそもそんなにたくさん売れてないこともあり、こういった事例がまだ表立ってませんが、「全てのクルマをコントロールする」という意思は感じます。

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