フォルクスワーゲンのイノベーションハブが4つのEV関連先端技術を公表

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Credit:VW
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VWの米国におけるイノベーションハブが、電動モビリティと持続可能な輸送における4つのブレークスルーを発表しました。

フォルクスワーゲンのイノベーションハブは、2020年にノックスビルのテネシー大学(UT)リサーチパーク(チェロキーファーム)にオープンしました。そこには米国連邦政府が出資するオークリッジ国立研究所(ORNL)もあります。VWはテネシー大学およびオークリッジ国立研究所(ORNL)の科学者と共同でEVの研究に取り組んでいます。VWイノベーション・ハブの発表した4つの技術は以下の通りです。

AIが最適化したEVバッテリーパックフレーム

フォルクスワーゲンの研究者たちは、EVの航続距離を伸ばすために車両重量を減らす新素材や構造の研究に取り組んでいます。最初の試験的研究の目的は、EVバッテリーパックを収納する既存のスチールフレームをより軽量なものに置き換えることです。

研究チームは、テネシー大学の高性能コンピューター・クラスター上で数百万ものパラメーターを持つ人工知能(AI)を使用し、小さなピラミッドの形をしたモジュール式繰り返し構造を開発しました。

この構造は、液体樹脂から3Dプリントすることができ、自身の0.15ポンド(68g)の3万倍の重量を保持することができます。つまり、このフレームはスチールフレームよりも最大60%軽量化できるということになります。更にこの研究者たちは、樹脂フレームがスチールフレームよりもエネルギーをより吸収することを発見しました(上の写真では耐久性をテストしています)。

EV内装に紙を利用

テネシー大学リニューアブル・カーボンセンターの科学者たちは、EVの内装に使用するプラスチック部品や樹脂の代替品として、リサイクル可能な紙を使用しています。この研究チームは、セルロース繊維強化熱可塑性プラスチックを予備成形し、ホットプレスして耐久性のある内装部品にする方法で特許を取得しました。リサイクル可能な紙ベースの複合材料は、さまざまな形や大きさの内装に変形でき、さまざまな質感や色を加えることができます。

VWは、将来のモデルに紙ベースの内装部品を含めるための「機会を確認中」であり、「業界規模の生産をサポートするために取り組んでいる」と述べています。リサイクル可能な素材やプラスチックからの脱却を目指す動きは、決して早くはありません。VWがこの素材を量産EVに使用するのを見るのは非常に素晴らしいことです。

繊維複合軽量ボディ部品

研究者たちは、ガラス繊維強化プラスチックの一種であるシートモールディングコンパウンドを使用して、2020年型フォルクスワーゲン・アトラスのリフトゲートを再現しました。この新しいリフトゲートは、金属製のものより約6kg軽く、35%以上の軽量化に成功しました。これはEVの航続距離を伸ばすのに役立つでしょう。

VWによると、ファイバーコンポジット製リフトゲートは、金属製リフトゲートと比べて組み立て順序を変更する必要がないため、大量生産が可能とのことです。研究者たちは最近、成形プロセスと耐久性、品質、デザインオプションを最適化する方法をさらに改良しています。

フォルクスワーゲン・グループに属するベントレーとランボルギーニでは、ファイバーコンポジット製ボディパーツをすでに生産しています。彼らはベントレー・コンチネンタルとランボルギーニ・アヴェンタドールに新素材と成形プロセスを使っています。これらは高級車なので大量生産というわけではありませんが、研究者たちはファイバーコンポジット製のピックアップトラックの荷台やその他の部品も研究しています。

ワイヤレスEV急速充電

VWのチームは、炭化ケイ素材料を使用したコイルと充電パッドの設計でワイヤレス充電の特許を取得しました。VWによると、初期の試験で、試作品の炭化ケイ素インバーターシステムが高効率であることが証明されたとのことです。この際の研究チームの充電能力目標は300kWです。

VWは、ワイヤレスEV急速充電プロジェクトの次に何ができるかについて、これ以上詳しく説明していません。このプロジェクトはまだ初期段階なのだと考えられます。それでも、従来の充電性能6.6kWから120kWに進歩したことは快挙です。駐車場の充電パッドに車を停めて充電を開始できれば、特に猛暑のとき、あるいは雨が降り止まないときに非常に便利です。

私は、上記に紹介したプロジェクトの少なくとも半分が量産に入り、費用対効果が高くなることを願っています。しかし、VWが短期的な支出凍結を実施しているところを見ると、おそらくすぐには実現しないでしょう。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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