日産、世界第2位の自動車市場中国で販売台数が大幅に悪化 EVシフトの遅れが仇に

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日本の自動車メーカーや市場がEV移行を躊躇していることが、中国市場での日本メーカーに打撃を与えています。テスラやBYDのようなEVリーダーに追いつけず、中でも日産の中国における自動車販売台数が急減しているようです。

EV移行の遅れが中国市場で日産に打撃

米国に次ぐ世界第2位の自動車市場であり、さらに世界最大のEV市場でもある中国市場で、日産の販売台数が伸び悩んでいます。今年8月の中国での販売台数は29%近く減少し、わずか6万5,000台という衝撃的な低迷となりました。

この6万5,000台のうち、日産のグローバル電気自動車SUVであるアリアはわずか106台(0.16%)です。また日産の高級車ブランドであるインフィニティは、D60 EVの販売台数が昨年から60%減少しました。D60 EVの販売台数は今年累計では前年比55%も減少しています。

中国市場での日産自動車の販売台数は、ここ数ヶ月一貫して減少しています。日産の販売台数は6月に28%、7月にも22.6%減少しています。日産は昨年販売台数が20%減少し、市場シェア上位5社から脱落しています。

既存の大手自動車メーカーの多くがそうであるように、中国は日産にとって非常に重要な市場であり、世界販売台数のほぼ3分の1を占めています。ゴールドマン・サックスの試算によると、日産は純利益の34%を中国で稼ぎ出しており、他の日本の自動車メーカーと比較しても非常に中国依存度が高い状況です。

日産は数カ月前、中国での販売台数見通しを2024年度で80万台に引き下げ、前年比23%減の見通しに下方修正しました。中国でEVシフトが進む中、厳しい状況に置かれているのは日産だけではありません。三菱自動車は7月に中国での事業を停止することを明らかにしました。

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三菱自動車の中国販売推移

2019年に約13万4,500台でピークを迎えた三菱の中国での販売台数は、昨年はわずか3万4,500台へと減少しました。これは中国の急速なEVシフトが原因です。一方、トヨタも今夏、競争の激しい中国のEV市場で苦戦し、従業員を解雇しています。

日産がEV独自戦略を打ち出せるか

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Credit:NISSAN

日産は今秋、新中期計画の一環として中国戦略の詳細を発表する予定です。東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは、以下のように説明しています。

「投資家は、日産がEVへのコミットメントを示す独自の戦略を打ち出すかどうかに注目しているのです。」

日産は2010年にリーフを発売し、EV分野をリードしてきましたが、この10年で技術は大きく進歩しました。BYD、NIO、シャオペンなどの中国のEVメーカーは、新しい技術や機能を導入することで、世界的なEVへの移行を利用しています。

その結果は明らかです。BYDは今年の第3四半期だけで43万1,603台のEVを販売し、世界最大のBEVメーカーであるテスラの43万5,059台に肉薄しました。

今年初めにフォルクスワーゲンを抜き去り、BYDは現在、中国で最も販売台数の多い乗用車ブランドとなっています。BYDは急速に海外進出を進めており、すでにタイ、ブラジル、コロンビア、イスラエルなどの市場を、ドルフィン電気ハッチのような手頃な価格の電気自動車で席巻しています。

中国の自動車市場は、世界で何が起きているかを象徴しています。EVの販売台数が増加し続ける中、購入者はより高い価値を提供する最高の機能を備えたブランドを選ぶようになっています。

この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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