2022年のテスラは、2つの新工場稼働とサイバートラックで忙しいが、安全性の関する課題で株価は抑制傾向?

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ウォール街の予測によると、テスラの来年は利益と売上が約40%増加する見込みです。

電気自動車メーカーのテスラ社は、米テキサス州オースティン、ドイツベルリンブランデンブルクという2つの新工場の開設や、待望の電動ピックアップ「サイバートラック」の発売が2022年に予定されているので、非常に忙しい年になると考えられます。

しかし一部のアナリストは、同社の運転支援機能の安全性に関する数十件の調査や既に実態以上に高い評価額により、今後の株価に対しては慎重な態度を示しています。

売上・利益とも40%増加

ファクトセットによると、ウォール街のコンセンサスは、来年度の一株あたり利益が2021年の推定5.99ドルから8.64ドルへと40%以上急増すると予想しています。売上高も同様のペースで伸び、今年の予想517億ドル前後からおよそ732億ドルになると予想されています。加えてファクトセットが調査したアナリストによると、テスラの製造販売台数は2021年の約90万台という予想に対し、2022年には150万台近く、と予想されています。

アーガス・リサーチのアナリスト、ビル・セレスキー氏は、「2021年よりも強い年になるだろう。基本的には(テスラに対する)需要が全てであり、テスラは他のGMやフォードよりも(サプライチェーン関連の遅れの)問題が少なかったのです」と述べています。

ゼネラルモーターズやフォードモーターズ、その他多くのOEM(訳注:最終製品製造会社、つまり自動車メーカーのこと)が新しいEVを発売し、フォードF-150ライトニングやGMのシボレー・シルバラードなど、いくつかの電動ピックアップやSUVがテスラに一矢報いる可能性があります。

新しい2つの工場稼働とサイバートラック

テスラは、他の自動車メーカーが電動ピックアップやSUVの計画を公表するよりもずっと前、それも2年も前に型破りな外観の電動ピックアップ「サイバートラック」を発表しています。この革新的なSUVの大量生産は2023年になりそうだとテスラは言っていますが、これは当初の予定より遅れています。

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https://youtu.be/8NkRT_y9zms

この点に関しては、イーロン・マスクCEOが、テスラの第4四半期決算の電話会議で、サイバートラックとサプライチェーン関連の遅延に関する最新情報を発表することを示唆しています。

マスク氏は今年初め、「何か重要な話がない限り、今後のテスラの決算に登場することはないだろう」とウォール街に語り、第3四半期の電話会議にも登場しなかったので、それなりの重要なことが発表されると期待されています。

ツイッターの投票により決められたことに従って、数週間前から自らテスラ株を売っているマスク氏は11月下旬、1月下旬頃に行われるであろう第4四半期の電話会議で「最新の製品ロードマップ」を提供するとツイートしています。彼はその前置きとして、2021年を「サプライチェーンの悪夢の年&そしてまだ終わっていない!」と表現しています。

これまでのところ、テスラはチップ危機を「極めてうまく」切り抜けてきたと、コックス・オートモーティブのアナリスト、ミシェル・クレブス氏は言っています。

サイバートラックの発表は確かに他社に先駆けたのだろうが、「お披露目してもあまり意味がない。実行(実際に製造販売)しなければならない」とクレブス氏は言っています。「テスラは超強力なブランド力を持ち、多くの分野で先行しています。ただし、電動ピックアップで一番乗りになることはないでしょう」

サイバートラックは、テスラが現在テキサス州オースティン地区に建設中の工場で製造される予定で、マスクCEOはこの工場を「巨大」と表現しています。

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10月に発表したカリフォルニア州からテキサス州への本社移転も果たしたテスラは、約810ヘクタールの敷地を遊歩道やトレイルで一般公開する「エコロジーパラダイス」にする予定とのことです。この工場では、東海岸向けのモデル3やモデルY、テスラの商用長距離トラック「セミ」も製造される予定です。

テスラのドイツ・ベルリン工場も、規制当局の承認に関わる数々の遅れを経て、新年から本格的に生産ラインを稼働させる予定です。

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テスラはこれまで「生産に多少の制約があった」とクレブス氏は言い、他の工場が立ち上がることで「ストレスがいくらか軽減される」と述べています。

さらに、テスラの先進運転支援システムであるオートパイロットが関与したとされる死亡事故について、複数の安全機関が調査を続けていることによる懸念もあります。

テスラは、このシステムの能力を「誇張」していると言われており、また、システムが上手く動作しない場合に備えて、ドライバーが常に注意深く、すぐに車をコントロールできるようにするための措置を十分に講じていない、と批判されています。

テスラファンは「非常に熱心な人たち」だが、その評判が落ちる可能性がある、とクレブス氏は言っています。

債券市場への回帰?

ボンド・アングル社のCEOであるヴィッキー・ブライアン氏は、金利がまだまだ低いため、2022年にテスラが債券市場に戻る可能性が高いと述べています。「テスラは非常に多くの現金を消費する」からです。

ブライアン氏は、中国と欧州でテスラ車のリコールが増えるリスクがあり、米国で進行中の安全性調査による圧力が加わるため、同社は「今年達成した勢い」を維持するのに苦労する可能性が高いと述べています。

「EVには期待しているが、すべてがテスラになるわけではない」と彼女は語っています。

また「収益性と勢いは今年後半にピークを迎える。…彼らは来年コンプ(訳注:企業価値評価)に悩まされるでしょう。2022年の後半は、EV市場の選択肢がはるかに多く、特に厳しいと見ている」ブライアン氏は付け加えています。

この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。

株は「期待で買って事実で売る」と言われますが、テスラは良い意味で期待のその上を行くのでは?とも思います。

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