中国新興EVシャオペン、ディディのEV事業を買収 2024年にコードネーム「Mona」の新ブランドを立ち上げへ

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Credit:Xpeng
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「Mona」プログラムの最初のモデルは小型のEVで、2024年に発売され、人気の15万人民元(約300万円)のエントリーセグメントに進出する予定です。

買収額は1千億円超

シャオペン(NYSE:XPEV)は、中国のライドヘイリング(乗合自動車)大手ディディ・グローバル(滴滴出行)の電気自動車(EV)事業を買収しており、この提携を基に、シャオペンの現行モデルよりも低価格帯の市場をターゲットとする新ブランドを来年立ち上げる予定とのことです。

シャオペンは8月27日にディディとの契約に調印し、ディディのスマートカー開発事業の資産(新型スマートEVの研究、設計、エンジニアリング開発)を最大58億3500万香港ドル(約1090億円)で買収することに合意しました。

シャオペンは、ディディのEVプログラムに関連する資産を取得するため、ディディの発行済み株式資本の約3.25%に相当するA種普通株式を発行します。ディディはシャオペンの戦略的株主となり、初回クロージングから24カ月のロックアップ期間を設けます。

新ブランドの開発プロジェクト名は「Mona」

シャオペンは2024年に新しいEVブランドを立ち上げる計画で、現在「Mona」というプロジェクト名で開発中です。

シャオペンは、新ブランドを活用して15万人民元(約300万円)の大衆市場セグメントに進出し、「Mona」プロジェクトは同社の生産と販売台数の増加を加速し、より大きな規模の経済を実現するのに役立つと同社は述べています。

「Mona」プログラムの最初のモデルは、AクラスのスマートEVで、2024年に発売される予定です。この新しいモデルとブランドは、シャオペンブランドの製品およびメインブランドとは区別されます。

シャオペンによると、ディディは「Mona」プロジェクトにモビリティ・エコシステムを提供し、全国の共有モビリティ市場へのアクセスを提供することで、シャオペンが15万人民元の価格帯で大衆向けスマートEVモデルを開発する道を開くということのようです。シャオペンとディディの契約では、「Mona」の量産とディディの販売台数目標達成に基づく業績インセンティブが設定され、ディディは株式ベースのインセンティブを受け取る権利を得ます。

このインセンティブ・プログラムでは、シャオペンは2つの業績目標マイルストーンを設定し、それぞれ対象となる新車納入台数を最大18万台としています。

シャオペンが2年連続で年間18万台を販売した場合、ディディはシャオペンの株式の合計5%に相当する最高額のインセンティブを受け取ることができると、EVメーカーの経営陣は説明会で述べました。

戦略的協力拡大

シャオペンは、ディディのエコシステムによって完全にサポートされる最初の自動車メーカーとなります。両社は今後、マーケティング、金融・保険サービス、充電、ロボタクシー、国際市場拡大など、多くの分野で戦略的協力を模索する予定とのことです。シャオペンの何小鵬会長兼最高経営責任者(CEO)は、以下のように話しています。

「新ブランドのAクラス(小型)のスマートEV製品は、当社の規模を大幅に拡大するだけでなく、当社のスマートEV技術の大衆市場セグメントへの普及を加速し、当社の技術をより幅広い顧客層に提供することになるのです。」

また、ディディのチェン・ウェイ会長兼最高経営責任者(CEO)は以下のように述べています。

「シャオペンは、スマートEV技術とインテリジェント運転技術で主導的地位を確立しています。シャオペンとは今後も多方面で協力を深め、交通・自動車産業の変革を推進していきます。」

大衆車への自動運転導入の契機に

ディディとの契約は、シャオペンの何CEOにとって、15万人民元の車にハイレベルのアシスト運転機能を搭載するという野望を実現するための重要な動きであるようです。2年ほど前、何CEOは、15万元クラスで競争力のある自動運転機能を提供できる自動車会社はないだろうと述べていました。しかし、現在は見方を変えています。

シャオペンの第2四半期決算発表後の8月18日のアナリスト向け電話会見で、同CEOは以下のように付け加えています。

「技術革新とコスト削減を実施する中で、15万元クラスのメインストリームで完全自動運転車を提供することに大きな自信を持てる明確な道筋とスケジュールが見えてきました。シャオペンの複数のコスト削減プログラムは効率的に進んでおり、2024年末までに全体のコストを25%削減するという目標を達成できると確信しています。これらのコスト削減イニシアチブにより、2024年には粗利益率が大幅に改善され、同時に製品の競争力も大幅に向上します。」
この記事はこの投稿を引用・翻訳・一部補足・編集して作成しています。

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