日本国内におけるその年の最も優れた乗用車を選出する「日本カー・オブ・ザ・イヤー(JCOTY)2026-2027」のノミネート車33台が、2026年10月27日に実行委員会より正式発表されました。
選考対象となるのは、2025年11月1日から2026年10月31日までに日本国内で発表または発売された乗用車です。国産メーカーの主力ハイブリッド車や最新EVが名を連ねる中、テスラからは実用性を高めた「モデルY L(改良型/多人数乗車仕様)」がノミネート車として堂々選出されました。
輸入電気自動車としての先進的な走行性能やソフトウェア設計に加え、直近で対応したV2L(外部給電)機能や全国に広がる充電インフラの実績が、日本の自動車ジャーナリストや選考委員からどのように評価されているのか。これからモデルYの購入を検討しているユーザーに向けて、JCOTYノミネートの背景と選考における注目ポイントを整理します。

全33台から絞られる「10ベストカー」。モデルY Lがノミネートされた審査対象枠の背景
日本カー・オブ・ザ・イヤーは、日本のモータリゼーションの発展とユーザーへの有益なクルマ選びの指標を提供することを目的に設立された権威ある自動車賞です。
自動車ジャーナリストや評論家、業界関係者で構成される約60名の選考委員が、デザイン、走行性能、環境性能、先進技術、安全性、そしてコストパフォーマンスなど多面的な基準から投票を行います。
1. 2026-2027年の選考スケジュールと選考プロセス
選考は段階的に進められます。まずノミネートされた全33台を対象に一次選考が行われ、2026年11月2日に上位10台の「10ベストカー」が発表されます。その後、11月18日の選考委員による10ベストカー試乗・取材会を経て、12月3日の最終選考会および表彰式で「今年の1台」が決定します。
2. ノミネート車に見る国産ハイブリッドと輸入EVの構図
今回のノミネートリストを見ると、トヨタ「RAV4」「bZ4X ツーリング」、日産「エルグランド」「キックス」、ホンダ「CR-V」といった国産の強力なハイブリッド/PHEV勢に加え、BMW「iX3」、メルセデス・ベンツ「CLA」、ボルボ「EX90」、BYD「シーライオン6」など、欧州・アジア各国の最新電動化モデルが激突する構図となっています。この中でテスラ「モデルY L」は、純粋なバッテリーEV(BEV)としての成熟度と実用パッケージで選考に臨みます。
審査委員は何を見ているのか? モデルY Lが持つ3つの実用的強み
かつてテスラ車は「圧倒的な加速力とギミックに富んだ先進ガジェット」として注目される傾向にありました。しかし、近年の日本市場における評価軸は、日々のファミリーユースやインフラを含めたトータルな「実用車としての完成度」へと移行しています。モデルY Lがノミネート枠に入った背景には、日本のユーザーニーズに合わせた実用面の進化があります。
1. ファミリー層の実用性を満たす3列シート・多人数乗車パッケージ
2026年4月に国内発売されたモデルY Lの大きな特徴は、従来のクーペライクなSUVスタイルを維持しながら、標準モデルYに対してホイールベースを約150mm(3,040mm)、全長を約180mm(約4,980mm)延長し、日本の多人数乗車ニーズに応える3列シート・6人乗り(2列目独立キャプテンシート:2+2+2配列)を実現している点です。さらにデュアルモーターAWDでありながら一充電走行距離は788km(WLTCモード)に達しており、ミニバン人気が圧倒的な日本市場において、航続距離・荷室容量・乗車定員の柔軟性を高い次元で両立させています。
2. 日本市場待望のV2L(外部給電)対応と手厚い公的補助金
2026年10月の発表で大きなトピックとなったのが、車両の駆動用バッテリーから家電製品へ電力を供給できるV2L(Vehicle to Load)機能への対応です。2027年1月に発売が予定されている専用の給電アダプター(税込予定価格15,000円)を充電口に接続することで、モデルY Lに蓄えた一般家庭約8日分(1日約10kWh換算、スマートフォン充電なら約4,000回以上)の電力をアウトドアレジャーや災害時の非常用電源として活用できます。なお、先着5,000台限定の充電サポートプログラム(モデル3で26.4万円、5人乗りモデルYで8.8万円をサポート)およびオーナー紹介プログラム(3.5万円引き)はモデルY Lでは対象外となるものの、国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金・年内登録で127万円)をはじめとする手厚い公的優遇策を受けられる点は、購入検討者の大きな後押しとなっています。
3. 全国150箇所以上へ広がったスーパーチャージャー網の安心感
どれほど車両性能が高くても、充電インフラに不安があれば日常の足としては選ばれません。テスラは東京都江戸川区の葛西臨海公園駅前(V4・6基)をはじめ、全国158箇所(計600基以上)に最大250kW級のスーパーチャージャーを展開しています。他社EVが公共急速充電器の出力制限や充電待ちに悩まされる中、プラグを挿すだけで即座に給電が開始されるシームレスな充電体験は、他ブランドに対する最大の差別化要素として審査委員からも高く評価されています。
国内競合SUVとの比較。購入検討者が押さえるべき選考の注目点
日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考プロセスは、これからSUVや電動車を購入しようとしている読者にとっても、各車の客観的な長所・短所を比較する絶好の材料となります。
1. トヨタ・日産・ホンダの主力ハイブリッド/PHEVとの価格・装備比較
国産競合の多くは、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド(HEV)またはプラグインハイブリッド(PHEV)を主力としています。給油の簡便さや航続距離の安心感がある一方で、定期的なオイル交換などのメンテナンス頻度や、車内空間の効率性では専用EVプラットフォームを持つモデルY Lに分があります。
2. 補助金政策と2027年1月CEV減額前の実質購入コスト
モデルY L(車両本体価格749万円・税込)の購入判断において外せないのが、国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の改定スケジュールです。2026年12月末までの登録車両には現行の127万円が適用され実質622万円(東京都の基本補助70万円併用なら実質552万円)となりますが、2027年1月1日以降の登録分からは国のCEV補助金が76.2万円へと50.8万円減額されることが確定しています。国産競合SUVや大型ミニバンの最上位グレードと実質乗り出し総額がどの程度拮抗するのか、選考委員による評価とともに登録時期を含めた経済性のバランスを見極めることが重要です。
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