イーロン・マスクCEOは、米国大統領選挙で非常に大きな「賭け」に勝ちました。そして、直近ではテスラ株は2024年高値を超える急騰を見せています。テスラの株価は、今から3年前の11月に414ドルの上場来高値をつけています。
今回、これからのテスラ株価に影響を与えそうなこと、そしてこれらが実現することで3年前の上場来高値を超える要素となるようなことをまとめてみました。
新型モデルYジュニパー

1年以上前から噂されているモデルYのリフレッシュ版が来年第1四半期か上半期には登場する予定です。
テスラの最も売れ筋のクルマで、2023年にはトヨタのカローラやRAV4を抜いて世界だ最も売れたクルマとなりました。そのモデルYの新型(プロジェクト・ジュニパー)が販売開始されればテスラ株に大きな影響を与えると考えられます。
エネルギー事業

テスラの定置用蓄電池に関するエネルギー事業は非常に大きな需要に支えられて急成長をしている状況です。系統電源や再生可能エネルギーの需給調整に使われる大型定置用蓄電池「メガパック」と、最近日本でもバージョン3の新型が発売された家庭用蓄電池の「パワーウォール」です。
このエネルギー事業に関して直近で最も大きな動きは、2025年第1四半期に稼働開始予定の中国でのギガファクトリー上海です。この工場では主に大型定置用蓄電池の製造を担いますが、テスラ車の世界への輸出ハブとなっているメガファクトリー上海と同じように、定置用蓄電池の世界への輸出拠点になることが容易に想定されます。
特に、このテスラのエネルギー事業は自動車事業の粗利率を1.5倍上回る約30%もの粗利率を誇りますし、そもそも定置用蓄電池に対するニーズは非常に大きくなっています。これは、再生可能エネルギー電源の不安定さを吸収するバッファー機能を提供できるからです。
つまり、来年にかけてこのテスラ・エナジー事業が更に拡大成長すると、テスラ株にも大きな影響を与えるのです。
廉価版テスラ

以前から噂され、最も期待されているテスラの新型モデルです。ただ、今年の春にイーロン・マスクCEOはそんな中途半端なものを作るつもりはなく、このプロジェクト自体が中断されたことが報じられたことで、テスラ株は大幅な下落に見舞われました。
ただ、この動きを受けてかどうか不明ですが、2024年第2四半期の決算発表でも第3四半期の決算発表でも「アフォーダブル・カー」の名の下に、来年には(既存のプラットフォームをベースとした)廉価版テスラ(いわゆるモデル2)を発売すると考えられています。
今や世界最大の自動車市場となった中国ではNEV(新エネルギー車)が半分以上の割合で売れている状況で、圧倒的なトップを走るBYDの最廉価版は1万ドルを切る価格で既に提供されていますので、テスラの廉価版と言われて今更感は否めません。
一方で、中国メーカー以外の日本も含む自動車メーカーはEVの製造コストを下げるのに非常に苦労している中で、事実上EVで大きな利益を上げているのがテスラのみなのもの事実ですし、やはり市場の拡大を考える場合にはこうしたアフォーダブル・カーが大きく貢献することが考えられますし、それが実現すればテスラ株にも非常に大きな影響を与えると考えられます。
自動運転とロボタクシー

少し前までは、ロボタクシーや自動運転の実現は少し遠い時期と考えられていましたが、今回の大統領選挙の結果を受けて、テスラの「完全」自動運転(監視なし)とロボタクシーが実現する可能性が非常に早まったと言われています。
そもそも、地球温暖化は「嘘」で前の任期でパリ協定から脱退したトランプ大統領を、再生可能エネルギーによるサステイナブルな社会実現を目指すテスラ社のCEOが支えるという非常に理解に苦しむ構図は、この点にあると言われています。
つまり、主として自動運転やロボタクシー早期実現のために、イーロン・マスクCEOはトランプ大統領を支援したということです。もちろんそれだけはないでしょうが、これほど政権の中枢に入れば規制緩和や誘導は可能になるものと考えられます。
この自動運転が2025年に米国のエリア限定ででも実現できればテスラ株に非常に大きな影響を与えるのは間違いありません。
その他の要素

実は、上記以外にも非常に多くのそして大きなインパクトを与えそうな要素が複数あります。
- サイバートラックの生産台数増加、低価格グレードの供給、海外での発売と納車の開始
- 自社生産の4680バッテリーセルの生産拡大とコストダウン
- 輸送業界の革命とも言われるクラス8電気トレーラー「テスラセミ」の供給拡大
- 究極の垂直統合となる、米国内のリチウム生成工場の2025年稼働開始
- ヒト型ロボットオプティマスの2025年中の供給開始
- AIトレーニング用スーパーコンピュータ「Dojo」の拡大
- 自動運転ソフトウェアFSDの他自動車メーカーへの提供
- 自動運転ソフトウェアFSDの北米以外(特に中国)での展開
これ以外にも細かいことは色々あると思うのですが、上記の内一つでも実現できれば株価へのインパクトは大きなものになるでしょう。キャシーウッドが言う2600ドルまではいかないにしても、414ドルを超えるのはそれほど遠くない将来なのだと思います。
当たり前ですが、この記事は主にテクノロジーの動向を紹介するものであり、投資勧誘や法律の助言などではありません。また、記事の正確性を保証するものでもありません。あくまで投資は自己判断でお願いします。
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