テスラ(NASDAQ:TSLA)の2024年第3四半期決算報告は、2024年10月23日(水)の株式市場取引終了後に発表された同社の2024年第3四半期アップデートレター公開に続いて実施されました。
テスラは2024年第3四半期に売上251.8億ドルを計上し、自動車部門の収益は200.2億ドルでした。また、非GAAPベースの1株当たり利益は0.72ドル、GAAPベースの1株当たり利益は0.62ドルでした。テスラは第3四半期にGAAPベースで27億ドルの営業利益を計上し、現金は過去最高の336億ドルに達しました。
以下は、テスラの2024年第3四半期の決算説明会で語られたことの概要のまとめとなります。
記録的な出荷台数
世界的に自動車市場が困難な状況にある中で、2024年第3四半期のテスラは、記録的な出荷台数を達成しました。イーロン・マスクCEOは「自動車業界が非常に厳しい状況にあるにもかかわらず、テスラが利益を上げていることは注目に値します」と指摘しました。
また、昨日テスラ車全体で累計700万台目のEVを生産した事も合わせて言及されました。
収益性
テスラの最高財務責任者(CFO)によると、テスラの自動車部門の収益が四半期ごとに、また前年比でも増加しているとのことで、平均販売価格が下落しているにもかかわらず、テスラの販売台数は増加しています。
同氏は、テスラは在庫の積み増しを避けながら販売台数を伸ばす決意で、この戦略を支えるため、テスラは魅力的なファイナンスオプションを展開し、消費者が同社の車を購入しやすくなるよう努めていくとのことです。
自動車部門の利益率も四半期ごとに改善しています。また、同氏はテスラが1台あたりのコストに焦点を当てていることをアピールし、顧客体験を損なうことなくコストを削減するための取り組みが社内で数多く行われていることを強調し、これに関する映画を制作するべきだとも言っています。
テスラ・エナジーの状況
マスク氏はまた、テスラ・エナジー、特にそのメガファクトリーについても言及しました。同氏は、ラスロップ工場の建設は急ピッチで進んでおり、上海メガファクトリーの建設も順調に進んでいると述べました。
「テスラで年間100ギガワット時の定置型蓄電を行うようになるまで、それほど時間はかからないでしょう。テスラはエネルギー事業を拡大し、エネルギー分野で大きな変化をもたらす必要があるのです。」
CFOによると、この第3四半期にテスラ・エナジーの粗利率は30%の合格点に達したとのことです。これは、第3四半期中のプロジェクトの組み合わせによるものです。また、テスラ・エナジーはすでに2024年の生産枠が「売り切れ」状態であるとのことです。
廉価版テスラとサイバーキャブ
イーロン・マスクCEOによると、テスラは2025年前半からより手頃な価格の車両(いわゆるモデル2)を発売する計画を持っていることを語り、来年の成長をにも言及しました。
「私は、来年の(テスラの自動車販売)成長率は20~30%になるだろうという概算を提示したいと思います。また、2026年にサイバーキャブが量産体制に入ることに自信を持っています。」
ちなみに、テスラはサイバーキャブの年間生産台数を200万台と見込んでおり、最終的には年間400万台を見据えているとのことです。またロボタクシー以外の車については、テスラは自動運転に全力を注いでいると経営陣は強調していました。 つまり、サイバーキャブに関しては自動運転以外のバージョンを生産する計画はないということです。(ハンドルやペダルはつけない)
イーロン・マスク氏は、サイバーキャブは革新的なデザインだけではなく、製造方法も革新的で「本当に特別なもの」と表現しています。サイバーキャブは技術的には2万5000ドルの車(廉価版テスラ)だが、マニュアル運転ではなく自動運転車(ハンドルもペダルもないクルマ)であることをアピールしました。
4680バッテリー
イーロン・マスク氏は、4680バッテリーセル製造ラインは順調だと述べました。テスラの4680バッテリーセルは、市場で最も競争力のあるセルとなる地点に急速に近づいています。
「うまく実行できれば、テスラの社内生産セルは北米で最もコスト競争力のあるセルになると思います」
これはもちろん、テスラがバッテリーサプライヤーに頼らないという意味ではありません。テスラ・エナジーやその他の事業の成長には、多くのサプライヤーが必要だからです。
FSD(完全自動運転)
イーロン・マスクCEOは、FSD V12.5のリリースやサイバートラックのFSD、アクチュアリー・スマート・サモン(A.S.S.)など、FSDの進捗状況についても言及し、FSD V13がまもなく展開される予定であると述べました。V13では、運転手がやむを得ず介入するまでの累計距離が5~6倍改善される見込みです。マスク氏は、テスラの社内評価では、FSDは来年第2四半期までに人間の運転手よりも安全になり、その後も急速に性能向上するとのことです。
「ロボタクシーやサイバーキャブが完全な自動運転になるのを待つ必要はありません。 来年には、既存の車両ラインで完全自動運転を実現できるでしょう」
また、同氏は、ベイエリアのテスラ従業員は現在、自動運転のライドシェアリングサービスを利用していると公表しました(ただし、このサービスでは、まだ安全運転手が同乗しています。)そして規制当局の承認次第では、来年にはカリフォルニア州とテキサス州で配車サービスを開始するというテスラの目標を繰り返しました。
加えて、マスク氏は、テスラはもはやAIトレーニングに関してコンピューター能力の制約は無いと述べました。FSDは実際、非常にうまく動いているため、逆にミスを見つけるのに時間がかかっている状況とのことです。
オプティマスの進展
オプティマス・プログラムでも進展がみられ、イーロン・マスク氏によると、22の自由度を持つオプティマスの次世代ハンドについて言及に続いて、以下のように発言しています。
「私は、我々のロボットが最も進化したヒト型ロボットであると自信を持って言えます。ライバルのロボットは、大量生産能力はともかく、AIの頭脳が欠けているからです。オプティマスはテスラの最も価値ある部分になると思います。」
サービスセンターの待ち時間
最近非常に長くなっているテスラサービスセンターでの待ち時間を短縮する方法についての質問に対して、テスラは可能な限りサービス不要の車両を作ることに重点を置いているとのことです。
テスラセミの今後
テスラセミに関して、来年には初期生産を開始し、2026年にはフル稼働する予定であると述べました。マスク氏は、1マイル当たりのコストが極めて低いことを踏まえ、テスラセミに対する「途方もない需要」があると指摘しました。
テスラの幹部は、ペプシコのような顧客によってテスラセミの潜在能力がすでに証明されていると述べ、ペプシコのドライバーは、セミを一度運転すると、他のトラックには乗りたくないと言っているとのことです。これまでに納車されたテスラセミ(約200台)はすべて、FSDに必要な機器を搭載しており、マスク氏は、FSDはトラックの安全性にとって大きな一歩になると指摘しています。
ロードスターの進捗
ロードスターの製造販売のスケジュールに関する質問に対してイーロン・マスクCEOは、ロードスターを予約した人たちがこれまでの間苦しんできたことを認めました。そして、ロードスターは「ケーキの上に載ったチェリー(のような存在)」であると付け加えました。つまり、ロードスターのようなクルマは、同社のその他のより優先度の高い製品群の後ろに位置づけられるべきであると指摘していますので、当分販売されないと思われます。
HW3(ハードウェア3)の自動運転
イーロン・マスク氏は、HW3車両がFSDの無人運転に必要な安全基準を達成できない可能性があることを認めました。もしそのような事態になれば、マスク氏は、少なくともFSDを購入した人に対しては、テスラがハードウェア3をハードウェア4に無償で交換すると述べました。
「HW3が監視なしFSDを可能にする安全レベルを達成できない可能性が若干あります。もしそのような結果になれば、私たちは、それらをアップグレードし、HW3を装備するクルマのFSDを無料で提供します」
テスラとxAIの関係
テスラとxAIの関係について、両社は協力関係にあるのか、それとも競合関係にあるのかという質問に対してイーロン・マスク氏は、xAIはテスラAIに何度も役立っていると述べました。 マスク氏はまた、xAIは汎用人工知能(AGI)や超知能の実現を目指しているとアピールしました。
「テスラは実世界におけるAIに焦点を当てています。法学修士(仮想の世界の話)とはかなり異なります」
2024年第3四半期のテスラ決算説明会の様子は以下からご確認いただけます。
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