新型Model Y パフォーマンスが中国で注文開始。航続659km・新モーターTL2搭載、通常版と異なる足回りの進化点

2026年9月11日、テスラ中国は公式サイトのオンラインコンフィギュレーターを更新し、「Model Y Performance(高性能全輪駆動版)」の正式な注文受付を開始しました。

2025年の「Juniper」フェイスリフト以降、中国市場のラインナップからはパフォーマンスグレードが一時的に外れていましたが、約1年の空白期間を経て最新ハードウェアを搭載した最上位モデルとして復活を遂げました。車両本体価格は369,000元(約775万円)に設定されています。

先行して中国工業情報化部(MIIT)への型式届出や免税カタログ登載が進んでいましたが、今回公式コンフィギュレーターが解禁されたことで、モーター出力や専用シャシー、ブレーキ構造などの詳細仕様が確定しました。その進化点と工学的ディテールを整理します。

新型パワートレイン:新開発「TL2」モーターと加速性能

新型Model Y パフォーマンスのパワートレインは、前後デュアルモーターによる全輪駆動(AWD)構成です。公表されたスペック上の0-100km/h加速は3.5秒、最高速度は250km/hとなっています。

項目新型Model Y パフォーマンス(中国仕様)
0-100km/h加速3.5秒
最高速度250km/h
航続距離(CLTC)659km
バッテリー78.4kWh(三元系リチウム / NMC)
フロントモーター出力176kW
リアモーター出力291kW(新設計「TL2」)
車両重量2,027kg

特筆すべきはリアに搭載された新開発モーター「TL2」です。最高出力291kWを発生し、従来の3D3モーターから出力特性が引き上げられています。フロントの176kWモーターと組み合わせることで、車重2,027kgのSUVでありながら、リニアな加速レスポンスと高速域での伸びを実現しています。

バッテリーには容量78.4kWhの三元系(NMC)リチウムイオンバッテリーが採用され、CLTCモードにおける航続距離は659kmと、高い走行性能と長距離巡航の実用性を両立しています。

通常版との決定的な違い:足回りと制動システムの専用設計

新型Model Y パフォーマンスは、単なるモーター出力の強化にとどまらず、シャシーや足回り、ブレーキ系に専用設計のハードウェアが多数投入されています。

1. 最低地上高147mmへのローダウンと専用サスペンション

標準モデルの最低地上高(169mm)に対し、パフォーマンス版は147mmへと22mmローダウンされています。重心高を低く抑えることでロールセンターを適正化し、高速コーナリング時の車体姿勢をフラットに維持する専用のスプリングおよびダンパーセッティングが施されています。

2. 軽量2ピースブレーキローターの標準採用

制動システムには、赤色に塗装された高剛性キャリパーに加え、新開発の軽量2ピースブレーキローターが組み合わされています。ハット部と摺動面を分離した2ピース構造により、バネ下重量の低減と熱膨張時の変形抑制を両立。ハードブレーキングの繰り返しに対する耐フェード性と放熱性能が向上しています。

3. 21インチ「アラクニド」ホイールと前後異径タイヤ

足元には専用デザインの21インチ「アラクニド(Arachnid)」ホイールを標準装着。リアタイヤを幅広にした前後異径セットアップにより、リアモーター291kWの強大なトルクを余すことなく路面へと伝達します。

4. カーボンファイバー製リアスポイラー

テールゲート後端には、専用設計のカーボンファイバー製リアスポイラーを装備。高速走行時にリアアクスルのリフトを効果的に抑制し、ドラッグを抑えつつスタビリティを確保する空力設計となっています。

キャビン装備の進化:ベンチレーション付きスポーツシートと16インチ画面

インテリアにおいても、スポーツドライビングを支える機能性と日常の快適性が両立されています。

フロントシートには、コーナリング時に乗員の身体をホールドする専用形状のスポーツバケットシートを採用。シートヒーターに加え、夏季の快適性を高めるシートベンチレーション(通気機能)が標準装備されました。

また、センターディスプレイは通常モデルの15.4インチから16インチへとサイズアップされ、視認性と操作性が向上しています。後席用ディスプレイも標準装備されており、後席の空調やエンターテインメントの個別操作が可能です。車載コンピューターには最新のAI4(Hardware 4)とAMD Ryzenプロセッサが搭載され、インフォテインメントの快適な動作と将来のソフトウェア拡張性を支えています。

価格設定と日本市場への影響

中国市場での販売価格は369,000元(約775万円)であり、ロングレンジAWD(303,900元〜)との価格差は約65,100元(約137万円)となっています。

ギガ上海(上海ギガファクトリー)は日本向けModel Yの主要な生産拠点でもあります。そのため、中国で正式に生産・販売が開始されたことは、将来的な日本仕様のアップデートやパフォーマンスグレードの導入動向(現在は日本未発売・導入待ち)を占う上で直接的な指標となります。

日本市場に導入される場合、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の車両価格上限や為替レートの推移を考慮した価格設定が注目点となります。

参考情報

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