テスラが開発を進める専用ロボタクシー車両「Cybercab(サイバーキャブ)」の量産プロトタイプが、テキサス州DMV(車両管理局)へ正式に登録され、同社従業員向けの自動運転運行フリートへ順次組み込まれ始めていることが明らかになりました。
ステアリングホイールやアクセル・ブレーキペダルといった従来の物理的操作系を持たない専用設計車両が、どのような法規制や制度的スキームに基づいて公道での走行・運行を認められているのか、その枠組みと実運用上の設計について整理します。
Cybercabs are taking over Austin pic.twitter.com/z2XFMciCeR
— Sawyer Merritt (@SawyerMerritt) September 1, 2026
物理的操作系を持たない車両と現行法規の壁
従来の自動車保安基準は、人間ドライバーが座席に座り、ステアリングやペダルを用いて操作することを前提に設計されています。
1. 連邦自動車安全基準(FMVSS)の適用免除枠
米国において新車を量産・販売する場合、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が定める連邦自動車安全基準(FMVSS)に適合する必要があります。
しかし、Cybercabのようにステアリングやバックミラーなどの伝統的な保安部品が存在しない車両の場合、通常の手順では型式認証を受けることができません。
1. 年間2,500台の適用除外(Exemption)申請
現行の米国連邦法の下では、自動運転技術の試験や実証を目的とする場合、自動車メーカーは年間最大2,500台を上限としてFMVSS基準の一部の適用免除を申請することが認められています。
2. 自律走行システムに対する同等安全性の立証
免除を受けるためには、物理的操作系がなくても従来の基準と同等以上の安全性が担保されていることをデータによって立証する必要があります。
テキサス州における自動運転運行の制度的枠組み
連邦基準(車両の設計・製造基準)とは別に、公道での「運行ライセンス」については州ごとの法律が管轄しています。
1. テキサス州法(SB 2205)の特徴
テキサス州は全米の中でも自動運転車の運行に対して比較的柔軟な法制度を採用している州の一つです。
- 専任ドライバーの搭乗義務なし: 自動運転システム(ADS)が州の交通法規に準拠し、万が一の故障時に安全に停止できる最小リスク状態(Minimal Risk Condition)に移行できる設計であれば、車内に運転手が搭乗していなくても運行が認められています。
- 保険および責任の明確化: 車両の登録者が所定の対人・対物賠償責任保険を維持し、システム障害時の責任所在を明確にすることで、DMVでの公道登録が可能となっています。
自律走行と遠隔監視(テレオペレーション)の責任分界点
運転席が存在しないCybercabの実運用において、安全性を支える重要な要素が「遠隔監視・運行管理システム」です。
1. 車載E2Eニューラルネットと遠隔オペレーターの役割
1. 通常走行時の判断(車載完結)
ミリ秒単位の回避行動や操舵・加減速は、通信遅延(レイテンシ)の影響を避けるため、すべて車載のFSDコンピューター上でローカルに完結して処理されます。
2. 膠着状態(スタック時)の経路指示
道路工事によるイレギュラーな車線規制や、警察官による手信号など、車載AIが判断に迷うシナリオに遭遇した場合、車両は安全に一時停止し、遠隔センターのオペレーターへ判断を仰ぎます。
遠隔オペレーターは直接ラジコンのように操舵するのではなく、「この障害物を右から迂回して進む」といった上位の経路ポイント(ウェイポイント)を提示し、実際のステアリング制御は車載AIが実行します。
量産化とスケール展開に向けた今後の論点
社内フリートでの初期実証から一般向けの本格運行へスケールさせるためには、いくつかの法規的・技術的ハードルが残されています。
1. 法規制と運行エリアの拡大課題
- 免除台数枠の上限: 現在の年間2,500台という連邦免除枠は、本格的な商業フリートを展開するには十分とは言えず、NHTSAによる新たな自動運転安全規則の策定や法改正の動向が鍵となります。
- 州ごとの規制格差: テキサス州やフロリダ州のように柔軟な州がある一方で、カリフォルニア州のように厳格な事前認可や報告義務を課す州もあり、全米規模での展開には各州法への適合が求められます。
まとめ
CybercabのDMV登録は、ペダルやステアリングを持たない車両が公道上で実運用されるための制度的プロセスが着実に進んでいることを示しています。
法規免除枠の活用、州法に基づく安全運行基準のクリア、そして車載AIと遠隔監視の連携といった多層的な枠組みの中で、今後のフリート検証がどのように進展するのかが注視されます。
参考情報
- Drive Tesla: Tesla Registers First Cybercabs with Texas DMV Ahead of Launch Event
- Teslarati: Tesla Cybercab fleet grows in Austin ahead of launch event
- Not a Tesla App: Tesla Starts Adding Cybercabs to Robotaxi Fleet
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コメント
テスラは「無人で公道を試運転する」資格も、いわんや「無人でタクシー事業を営む」資格も持ち合わせていないことは明らかです:
米各州政府のDMV(Department of Motor Vehicles=米自動車管理局)は「公文書」として「無人で公道を試運転する」ならびに「無人でタクシー事業を営む」ことを認可した企業名を公表しています。
Autonomous Vehicle Testing Permit Holders – California DMV
https://www.dmv.ca.gov/portal/vehicle-industry-services/autonomous-vehicles/autonomous-vehicle-testing-permit-holders/
これは、カルフォルニア州で自動運転走行試験許可証を保持している企業の一覧です。この文書は、
・Permits Holders(Testing with a driver)
・Permits Holders(Driverless Testing)
・Permits Holders(Deployment)
の3つのカテゴリがあります。「前者」は「ドライバーが同乗して公道を試運転する許可を持つ企業」を示し、「中者」は「ドライバーなしで公道を試運転する許可を持つ企業」を示します。「後者」は「自動運転車の開発と公道での試運転を行う企業や団体に対して発行される許可を指し、前二者の許可も含みます」。この許可を持つ企業は、タクシー事業を商用サービスとして展開することが認可されています。
・Permits Holders(Testing with a driver)
➡
TESLAを含む全31社の企業名があります。
・Permits Holders (Driverless Testing)
➡
1.Apollo 2.AutoX 3.R2 Nuro Robot 4.R3 Nuro Robot 5.Waymo 6.WeRide 7.Zoox
・Permits Holders(Deployment)
➡
1.Mercedes-Benz 2.Nuro 3.Waymo
の3社の企業名しかありません。
しかも、上記のようにカルフォルニア州の規制当局(DMV)は、テスラの
・FSD=完全自動運転
・Autopilot=自動操縦
という誇大広告を
「名称そのものが虚偽表示であり、誤解を招く」と正式認定したため、その名称を剥奪
・FSD=Full Self‑Driving → Full Self‑Driving (Supervised)=人間の監視が必要な自動運転支援システム
・Autopilot → Traffic Aware Cruise Control=追従走行支援
と「自動運転ではない」ことを明示する名称への変更を余儀なくしています:
カリフォルニア州、テスラの販売表現が「欺瞞的」と改善求める 30日間の販売停止も
https://forbesjapan.com/articles/detail/87377
テスラがDMVの停止処分を回避するための是正措置を講じる(2026年2月17日)
https://www.dmv.ca.gov/portal/news-and-media/tesla-takes-corrective-action-to-avoid-dmv-suspension/
この決定から、事実上テスラは全世界でFSDやAUTOPILOTおよび自動運転レベル2+と言う名称を使えなくなっています。
実際、Tesla JapanでもFSDをFull Self-Driving(Supervised)という名称に変更して広報してテスラの自動運転を広報しています:
https://www.tesla.com/ja_jp
上記のように、テスラは自動運転レベル2なのですから、全世界のどの国でも「無人で公道を試運転する」ことを承認されている事実はありません。
テキサス州オースティンでテスラが無人で公道を試運転したとの報道は、イーロン・マスク氏が「自動運転」を想定していなかったテキサス州やネバダ州の旧法の間隙を突いたもので、両州はテスラの危険な無人自動運転を阻止するために、自動運転に関する法律を改正した新法で、テスラの無人自動運転を阻止しています。これは次の記事を読めば判明します:
「テスラは、ロボタクシーがオースティンの高速道路を走行する中、安全オペレーターを運転席に移動させる」
https://jp.benzinga.com/news/%e3%83%86%e3%82%b9%e3%83%a9%e3%81%af%e3%80%81%e3%83%ad%e3%83%9c%e3%82%bf%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%81%8c%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%81%ae%e9%ab%98%e9%80%9f%e9%81%93/
また、テスラのFSDをオランダ当局が認可したとの認識も誤解です。オランダ当局が認可したのは、テスラのFSDではなくて、 FSD(Supervised)です。つまり、今現在日本でも自動運転レベル2のトヨタや日産の自動車は普通に運行していますが、それと同等の運転席に運転手が同乗しながら、公道を運転することが承認されているだけのことです。テスラが自動運転レベル2にもかかわらず、イーロン・マスク氏は、しばしば、オランダ当局でFSDが承認されたと旧来から何度となく嘯いていましたが、実際は
テスラの自動運転機能巡る投稿にオランダ当局が反論-承認約束を否定
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-11-25/T69634KJH6V500
テスラ FSD のヨーロッパ展開に新たな規制上の障壁 – 2025 年中の導入は困難な状況に
https://aiupdate.blog/tesla-fsd-faces-new-barriers-in-european-deployment-031125/
テスラFSD中国配信停止の背景:外資メーカーが直面する中国のコンプライアンス壁
https://mobyinfo.com/makers/why-tesla-fsd-paused-in-china-regulatory-insights/
「テスラFSDの惨敗」一晩で34件の交通法規違反、中国市場で未完成品販売の論争激化
https://www.autopostjp.com/imported-car/article/48133/
テスラ、中国でオートパイロット更新 期待外れの声も
https://jp.reuters.com/business/autos/YUDLP3ISLVMSDNFJD5OTHXP3VQ-2025-02-25/
韓国への導入控えたテスラの自動運転機能…安全性検証に問題はないか
https://japanese.joins.com/JArticle/340975
にある通りで、世界の各国は、テスラのFSDなど承認していません。
オランダ当局が承認したのは、テスラのFSD(Supervised)です:
「欧州でも走れる」テスラFSDがオランダで初認可、EU全域展開へのカウントダウン始まる(2026年4月15日)
https://www.autopostjp.com/featured/article/53324/
一部抜粋すれば、
テスラ「FSD Supervised」が欧州初認可、オランダで公道使用へ
テスラがオランダにおいて、欧州初となる高度運転支援システムの型式指定を取得し、市場拡大への決定的な足がかりを築いた。オランダ車両管理局(RDW)は現地時間2026年4月10日、テスラの「FSD(Full Self-Driving)Supervised」に対し、オランダ国内での公道使用を認可したと発表した。
より重要なのは、以下の事実です:
欠陥だらけのテスラの自動運転を放置し続けている「法の抜け穴」 2025年10月8日
https://forbesjapan.com/articles/detail/82845
テスラの「完全自動運転」はなぜ他のメーカーと違って危険なのか?2025年9月6日
https://gigazine.net/news/20250906-tesla-autopilot-computer-vision/
米国、自動運転システムに関連する事故で約290万台のテスラ車を調査開始 2025年10月9日
https://www.cbsnews.com/news/tesla-fsd-nhtsa-investigation-traffic-violations/
テスラの自動運転技術に新たな難題、米当局が「基本的な問題あり」との調査結果2024年4月27日
https://wired.jp/article/tesla-autopilot-risky-deaths-crashes-nhtsa-investigation/
最後の文献より、一部抜粋すれば、
米規制当局(U.S. regulatory authorities)は、テスラの「オートパイロット」を
・基本的な防止策が十分ではない
そして、米連邦当局(U.S. federal authorities)は、
・テスラは予見できた事故を未然に防ぐための対策も講じない
・テスラの運転自動機能には、競合他社の導入している基本的な防止策もない
ことから
「テスラを業界のはみ出し者」
とまで非難しています。さらには、
米当局、米規制当局、カリフォルニア州の規制当局(DMV)、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)、米政府エンジニアチーム、米司法省(U.S. Department of Justice=DOJ)は、
・FSDを疑問視
・注意深いドライバーが回避できる事故が多発
・競合他社と比してFSDは反応が鈍いと結論
と結論付けているのです。
さらに、LiDARもレーザーも搭載せずに、カメラとAIだけで完全自動運転の実現を目指すテスラは米国でも追放されつつあります:
テスラに乗れなくなる日が来る? ニュージャージーで自動運転を巡る法律バトルが勃発(2026年7月25日)
https://jidounten-lab.com/u_65359
なお、ジム・リカーズ氏は、Paradigm Report 「今すぐ売却を検討すべき・・20の銘柄」の中の1社としてテスラを選出しています。私もジム・リカーズ氏の意見に同意します。
イアン・キング氏のX Factor Reportの最新レポート「informatial suprise watch」にも多々の誤りが認められます。そこでは、テスラはテキサス州で完全無人で走行していると書かれていますが、既述のようにテキサス州は新法でテスラの完全無人走行を禁止しています。
テスラは今現在、カリフォルニア州DMVから「Permits Holders(Testing with a driver)」の資格のみを承認されています。つまり、運転席に人が乗った状態での試験走行しか認められていないのです。
したがって、イーロン・マスク氏が際限なく
「ロボタクシー営業エリアをネバダ州やカリフォルニア州まで拡大する」
と吹聴しても、それは
「運転手付きの通常のタクシー業を営んでいる」
に過ぎません。制度上、無人運行や商用化の資格は一切承認されていないのです。
最近、
テスラの自動運転タクシーがネバダ州まで拡大するという報道によって、テスラの株価が跳ね上がりました
が、事情に通じていないテスラ信者がテスラ株に飛びついただけというのがその実態です。
テスラは2021年から、NVIDIAのA100 GPUを基盤とするスーパーコンピュータ「Dojo」を用いてFSDの学習を進めてきました。しかし2025年にはDojoプロジェクトを終了し、現在はNVIDIAのH100やH200を基盤とする「CortexTL」でFSDの学習を継続しています。
この移行により、テスラの自動運転技術が飛躍的に向上したと誤解する人も少なくないのも無理からぬことですが、
入力がカメラ映像のみ
という根本的な制約は変わっていません。制度対応・安全設計・センサーフュージョンの観点で、依然として制度外の実験技術に止まることも単純明快に証明できます:
テスラは現在、FSDの学習にNVIDIAのH100やH200 GPUを基盤とするスーパー・コンピュータ「CortexTL」を使用しています。
一方、日本の自動車メーカーは、NVIDIAの「Drive Orin」や「Drive Thor」といった自動車向けSoCプラットフォームを採用し、制度適合性と安全設計を両立させた形で技術を進化させています。
具体的には以下の車種が該当します:
トヨタ bZ4X:Advanced Drive
スバル ソルテラ:アイサイトX
日産 アリア B9:ProPILOT 2.0
レクサス RZ450e / RZ300e:Lexus Teammate Advanced Drive
ソニー・ホンダ AFEELA 1 Signature:AFEELA Intelligent Drive
これらの車種は
国土交通省の承認
を得て「ハンズオフ機能」を搭載しています。
一方、テスラは同省からの未承認のため、「ハンズオフ機能」は未搭載です。
ヨーロッパでも事情は全く同じです。テスラは2026年より初めてヨーロッパで走行することが承認されており、日本のEV車はテスラに先行して、ヨーロッパ各国で承認されていたのです。
つまり、上記の日本車はテスラの自動運転技術を既に超越しているのが現実なのです。
その理由も単純明快に証明できます:
まず、テスラも上記の車種も、SAE(米国自動車技術者協会)基準ではレベル2に分類されます。
しかし、日本の国土交通省はSAEの6段階分類(レベル0〜5)を基本にしつつ、日本独自の運用基準と承認制度を設けています。
その代表例が「ハンズオフ機能」で、同じレベル2でも国交省の承認がなければ搭載できないのです。
テスラは、NVIDIAのH100/H200 GPUを基盤とする高性能「CortexTL」でFSDの学習を進めています。 しかし、入力データがTesla Vision方式の
カメラ映像
のみですから、環境認識に必要な情報が不足しています。 その結果、高性能なGPUを使っても十分な効果が得られず、まさに“宝の持ち腐れ”状態なのです。
一方、日本の自動車メーカーが採用している「Drive Orin」や「Drive Thor」は、車載向けSoC(System on Chip)であり、LiDAR・高精度地図・冗長設計を含む安全設計がなされています。 リアルタイム処理や制度適合性に特化しているのです。
つまり、制度・技術・構成のすべてにおいて、上記の日本車は余裕でテスラを凌駕しているのが現実なのです。
以上によって、テスラとイーロン・マスク氏の真実の姿は以下の通りです:
欠陥だらけのテスラの自動運転を放置し続けている「法の抜け穴」
2025.10.02 08:00
https://forbesjapan.com/articles/detail/82845
米テスラの自動運転支援機能、赤信号無視など交通違反巡り新たな調査
Rick Clough、Dana Hull
2025年10月10日
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-09/T3V7DEGPWCUM00
自動運転に関する規制が厳しい加州サンフランシスコでは、Waymoが完全自律型ロボタクシーの商業運行を進める一方で、テスラは依然として運転席に人間が座る従来型のタクシー業務。
一方、米国の規制当局や連邦機関は、テスラを「業界のはみ出し者」「基本的な問題あり」と結論。国土交通省も同じ結論。
この技術的停滞は、マスク氏によるセンサー削除の決断。レーダーや超音波センサーを排除、カメラ映像のみで周囲を認識する「Tesla Vision」への移行は、中国勢との価格競争に勝つためのコスト削減策。その結果、安全性や認識精度が低下、社内エンジニアの警告も無視。
さらに問題なのは、企業統治の脆弱さ。取締役会はマスク氏に極めて高額な報酬パッケージを提示、その内容は株主価値よりもCEOの意向を優先する姿勢を露呈。取締役がマスク氏の「ご機嫌取り」に終始する痴態は、企業統治能力の欠如を示すもの。
私は、テスラの更生には、マスク氏をテスラから追放して、企業統治体制の抜本的な改革が不可欠であり、技術革新と経営の健全性が両立しない場合に於いては、
テスラは倒産すべき典型的なブラック企業
という結論に至りました。
いつものテスラ株を吊り上げるためのイーロン・マスク氏の大法螺吹きが始まっただけです。ハンドルもペダルもないCybercabがテキサス州を走行しているのであれば、テキサス州の自動運転に関する新法違反です。
テスラは「無人で公道を試運転する」資格も、いわんや「無人でタクシー事業を営む」資格も持ち合わせていないことは明らかです:
米各州政府のDMV(Department of Motor Vehicles=米自動車管理局)は「公文書」として「無人で公道を試運転する」ならびに「無人でタクシー事業を営む」ことを認可した企業名を公表しています。
Autonomous Vehicle Testing Permit Holders – California DMV
https://www.dmv.ca.gov/portal/vehicle-industry-services/autonomous-vehicles/autonomous-vehicle-testing-permit-holders/
これは、カルフォルニア州で自動運転走行試験許可証を保持している企業の一覧です。この文書は、
・Permits Holders(Testing with a driver)
・Permits Holders(Driverless Testing)
・Permits Holders(Deployment)
の3つのカテゴリがあります。「前者」は「ドライバーが同乗して公道を試運転する許可を持つ企業」を示し、「中者」は「ドライバーなしで公道を試運転する許可を持つ企業」を示します。「後者」は「自動運転車の開発と公道での試運転を行う企業や団体に対して発行される許可を指し、前二者の許可も含みます」。この許可を持つ企業は、タクシー事業を商用サービスとして展開することが認可されています。
・Permits Holders(Testing with a driver)
➡
TESLAを含む全31社の企業名があります。
・Permits Holders (Driverless Testing)
➡
1.Apollo 2.AutoX 3.R2 Nuro Robot 4.R3 Nuro Robot 5.Waymo 6.WeRide 7.Zoox
・Permits Holders(Deployment)
➡
1.Mercedes-Benz 2.Nuro 3.Waymo
の3社の企業名しかありません。
しかも、上記のようにカルフォルニア州の規制当局(DMV)は、テスラの
・FSD=完全自動運転
・Autopilot=自動操縦
という誇大広告を
「名称そのものが虚偽表示であり、誤解を招く」と正式認定したため、その名称を剥奪
・FSD=Full Self‑Driving → Full Self‑Driving (Supervised)=人間の監視が必要な自動運転支援システム
・Autopilot → Traffic Aware Cruise Control=追従走行支援
と「自動運転ではない」ことを明示する名称への変更を余儀なくしています:
カリフォルニア州、テスラの販売表現が「欺瞞的」と改善求める 30日間の販売停止も
https://forbesjapan.com/articles/detail/87377
テスラがDMVの停止処分を回避するための是正措置を講じる(2026年2月17日)
https://www.dmv.ca.gov/portal/news-and-media/tesla-takes-corrective-action-to-avoid-dmv-suspension/
この決定から、事実上テスラは全世界でFSDやAUTOPILOTおよび自動運転レベル2+と言う名称を使えなくなっています。
実際、Tesla JapanでもFSDをFull Self-Driving(Supervised)という名称に変更して広報してテスラの自動運転を広報しています:
https://www.tesla.com/ja_jp
上記のように、テスラは自動運転レベル2なのですから、全世界のどの国でも「無人で公道を試運転する」ことを承認されている事実はありません。
テキサス州オースティンでテスラが無人で公道を試運転したとの報道は、イーロン・マスク氏が「自動運転」を想定していなかったテキサス州やネバダ州の旧法の間隙を突いたもので、両州はテスラの危険な無人自動運転を阻止するために、自動運転に関する法律を改正した新法で、テスラの無人自動運転を阻止しています。これは次の記事を読めば判明します:
「テスラは、ロボタクシーがオースティンの高速道路を走行する中、安全オペレーターを運転席に移動させる」
https://jp.benzinga.com/news/%e3%83%86%e3%82%b9%e3%83%a9%e3%81%af%e3%80%81%e3%83%ad%e3%83%9c%e3%82%bf%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%81%8c%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%81%ae%e9%ab%98%e9%80%9f%e9%81%93/
また、テスラのFSDをオランダ当局が認可したとの認識も誤解です。オランダ当局が認可したのは、テスラのFSDではなくて、 FSD(Supervised)です。つまり、今現在日本でも自動運転レベル2のトヨタや日産の自動車は普通に運行していますが、それと同等の運転席に運転手が同乗しながら、公道を運転することが承認されているだけのことです。テスラが自動運転レベル2にもかかわらず、イーロン・マスク氏は、しばしば、オランダ当局でFSDが承認されたと旧来から何度となく嘯いていましたが、実際は
テスラの自動運転機能巡る投稿にオランダ当局が反論-承認約束を否定
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-11-25/T69634KJH6V500
テスラ FSD のヨーロッパ展開に新たな規制上の障壁 – 2025 年中の導入は困難な状況に
https://aiupdate.blog/tesla-fsd-faces-new-barriers-in-european-deployment-031125/
テスラFSD中国配信停止の背景:外資メーカーが直面する中国のコンプライアンス壁
https://mobyinfo.com/makers/why-tesla-fsd-paused-in-china-regulatory-insights/
「テスラFSDの惨敗」一晩で34件の交通法規違反、中国市場で未完成品販売の論争激化
https://www.autopostjp.com/imported-car/article/48133/
テスラ、中国でオートパイロット更新 期待外れの声も
https://jp.reuters.com/business/autos/YUDLP3ISLVMSDNFJD5OTHXP3VQ-2025-02-25/
韓国への導入控えたテスラの自動運転機能…安全性検証に問題はないか
https://japanese.joins.com/JArticle/340975
にある通りで、世界の各国は、テスラのFSDなど承認していません。
オランダ当局が承認したのは、テスラのFSD(Supervised)です:
「欧州でも走れる」テスラFSDがオランダで初認可、EU全域展開へのカウントダウン始まる(2026年4月15日)
https://www.autopostjp.com/featured/article/53324/
一部抜粋すれば、
テスラ「FSD Supervised」が欧州初認可、オランダで公道使用へ
テスラがオランダにおいて、欧州初となる高度運転支援システムの型式指定を取得し、市場拡大への決定的な足がかりを築いた。オランダ車両管理局(RDW)は現地時間2026年4月10日、テスラの「FSD(Full Self-Driving)Supervised」に対し、オランダ国内での公道使用を認可したと発表した。
より重要なのは、以下の事実です:
欠陥だらけのテスラの自動運転を放置し続けている「法の抜け穴」 2025年10月8日
https://forbesjapan.com/articles/detail/82845
テスラの「完全自動運転」はなぜ他のメーカーと違って危険なのか?2025年9月6日
https://gigazine.net/news/20250906-tesla-autopilot-computer-vision/
米国、自動運転システムに関連する事故で約290万台のテスラ車を調査開始 2025年10月9日
https://www.cbsnews.com/news/tesla-fsd-nhtsa-investigation-traffic-violations/
テスラの自動運転技術に新たな難題、米当局が「基本的な問題あり」との調査結果2024年4月27日
https://wired.jp/article/tesla-autopilot-risky-deaths-crashes-nhtsa-investigation/
最後の文献より、一部抜粋すれば、
米規制当局(U.S. regulatory authorities)は、テスラの「オートパイロット」を
・基本的な防止策が十分ではない
そして、米連邦当局(U.S. federal authorities)は、
・テスラは予見できた事故を未然に防ぐための対策も講じない
・テスラの運転自動機能には、競合他社の導入している基本的な防止策もない
ことから
「テスラを業界のはみ出し者」
とまで非難しています。さらには、
米当局、米規制当局、カリフォルニア州の規制当局(DMV)、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)、米政府エンジニアチーム、米司法省(U.S. Department of Justice=DOJ)は、
・FSDを疑問視
・注意深いドライバーが回避できる事故が多発
・競合他社と比してFSDは反応が鈍いと結論
と結論付けているのです。
さらに、LiDARもレーザーも搭載せずに、カメラとAIだけで完全自動運転の実現を目指すテスラは米国でも追放されつつあります:
テスラに乗れなくなる日が来る? ニュージャージーで自動運転を巡る法律バトルが勃発(2026年7月25日)
https://jidounten-lab.com/u_65359
なお、ジム・リカーズ氏は、Paradigm Report 「今すぐ売却を検討すべき・・20の銘柄」の中の1社としてテスラを選出しています。私もジム・リカーズ氏の意見に同意します。
イアン・キング氏のX Factor Reportの最新レポート「informatial suprise watch」にも多々の誤りが認められます。そこでは、テスラはテキサス州で完全無人で走行していると書かれていますが、既述のようにテキサス州は新法でテスラの完全無人走行を禁止しています。
テスラは今現在、カリフォルニア州DMVから「Permits Holders(Testing with a driver)」の資格のみを承認されています。つまり、運転席に人が乗った状態での試験走行しか認められていないのです。
したがって、イーロン・マスク氏が際限なく
「ロボタクシー営業エリアをネバダ州やカリフォルニア州まで拡大する」
と吹聴しても、それは
「運転手付きの通常のタクシー業を営んでいる」
に過ぎません。制度上、無人運行や商用化の資格は一切承認されていないのです。
最近、
テスラの自動運転タクシーがネバダ州まで拡大するという報道によって、テスラの株価が跳ね上がりました
が、事情に通じていないテスラ信者がテスラ株に飛びついただけというのがその実態です。
テスラは2021年から、NVIDIAのA100 GPUを基盤とするスーパーコンピュータ「Dojo」を用いてFSDの学習を進めてきました。しかし2025年にはDojoプロジェクトを終了し、現在はNVIDIAのH100やH200を基盤とする「CortexTL」でFSDの学習を継続しています。
この移行により、テスラの自動運転技術が飛躍的に向上したと誤解する人も少なくないのも無理からぬことですが、
入力がカメラ映像のみ
という根本的な制約は変わっていません。制度対応・安全設計・センサーフュージョンの観点で、依然として制度外の実験技術に止まることも単純明快に証明できます:
テスラは現在、FSDの学習にNVIDIAのH100やH200 GPUを基盤とするスーパー・コンピュータ「CortexTL」を使用しています。
一方、日本の自動車メーカーは、NVIDIAの「Drive Orin」や「Drive Thor」といった自動車向けSoCプラットフォームを採用し、制度適合性と安全設計を両立させた形で技術を進化させています。
具体的には以下の車種が該当します:
トヨタ bZ4X:Advanced Drive
スバル ソルテラ:アイサイトX
日産 アリア B9:ProPILOT 2.0
レクサス RZ450e / RZ300e:Lexus Teammate Advanced Drive
ソニー・ホンダ AFEELA 1 Signature:AFEELA Intelligent Drive
これらの車種は
国土交通省の承認
を得て「ハンズオフ機能」を搭載しています。
一方、テスラは同省からの未承認のため、「ハンズオフ機能」は未搭載です。
ヨーロッパでも事情は全く同じです。テスラは2026年より初めてヨーロッパで走行することが承認されており、日本のEV車はテスラに先行して、ヨーロッパ各国で承認されていたのです。
つまり、上記の日本車はテスラの自動運転技術を既に超越しているのが現実なのです。
その理由も単純明快に証明できます:
まず、テスラも上記の車種も、SAE(米国自動車技術者協会)基準ではレベル2に分類されます。
しかし、日本の国土交通省はSAEの6段階分類(レベル0〜5)を基本にしつつ、日本独自の運用基準と承認制度を設けています。
その代表例が「ハンズオフ機能」で、同じレベル2でも国交省の承認がなければ搭載できないのです。
テスラは、NVIDIAのH100/H200 GPUを基盤とする高性能「CortexTL」でFSDの学習を進めています。 しかし、入力データがTesla Vision方式の
カメラ映像
のみですから、環境認識に必要な情報が不足しています。 その結果、高性能なGPUを使っても十分な効果が得られず、まさに“宝の持ち腐れ”状態なのです。
一方、日本の自動車メーカーが採用している「Drive Orin」や「Drive Thor」は、車載向けSoC(System on Chip)であり、LiDAR・高精度地図・冗長設計を含む安全設計がなされています。 リアルタイム処理や制度適合性に特化しているのです。
つまり、制度・技術・構成のすべてにおいて、上記の日本車は余裕でテスラを凌駕しているのが現実なのです。
以上によって、テスラとイーロン・マスク氏の真実の姿は以下の通りです:
欠陥だらけのテスラの自動運転を放置し続けている「法の抜け穴」
2025.10.02 08:00
https://forbesjapan.com/articles/detail/82845
米テスラの自動運転支援機能、赤信号無視など交通違反巡り新たな調査
Rick Clough、Dana Hull
2025年10月10日
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-09/T3V7DEGPWCUM00
自動運転に関する規制が厳しい加州サンフランシスコでは、Waymoが完全自律型ロボタクシーの商業運行を進める一方で、テスラは依然として運転席に人間が座る従来型のタクシー業務。
一方、米国の規制当局や連邦機関は、テスラを「業界のはみ出し者」「基本的な問題あり」と結論。国土交通省も同じ結論。
この技術的停滞は、マスク氏によるセンサー削除の決断。レーダーや超音波センサーを排除、カメラ映像のみで周囲を認識する「Tesla Vision」への移行は、中国勢との価格競争に勝つためのコスト削減策。その結果、安全性や認識精度が低下、社内エンジニアの警告も無視。
さらに問題なのは、企業統治の脆弱さ。取締役会はマスク氏に極めて高額な報酬パッケージを提示、その内容は株主価値よりもCEOの意向を優先する姿勢を露呈。取締役がマスク氏の「ご機嫌取り」に終始する痴態は、企業統治能力の欠如を示すもの。
私は、テスラの更生には、マスク氏をテスラから追放して、企業統治体制の抜本的な改革が不可欠であり、技術革新と経営の健全性が両立しない場合に於いては、
テスラは倒産すべき典型的なブラック企業
という結論に至りました。
そもそも、前々回の2026年の決算において、イーロン・マスク氏は2026年中にハンドルもペダルもないCybercabを大量販売すると嘯いていたのに、前回の決算ではCybercabに関する発言がなかったのはなぜですか?
今回もテスラの株価を上昇させるための持病が発病しただけのことです。
米自動車安全規制当局、テスラの「サイバーキャブ」約1,000台について調査を開始
2026年9月4日 18:46 GMT+9Refinitiv
https://jp.tradingview.com/news/reuters.com,2026:newsml_L4N44W0P8:0/
TSLA
+5.42%
米国道路交通安全局(NHTSA)は、テスラ社
TSLA
の「サイバーキャブ」約1,000台を対象に監査を開始したと発表した。この監査では、同EVメーカーが連邦自動車安全基準への適合を主張する際に拠り所としたプロセスや技術データを精査する。
この調査は、テスラが木曜日にテキサス州オースティンで2人乗りの「サイバーキャブ」を少数台規模で商用運用を開始し、今後車両数や展開地域を段階的に拡大する計画を明らかにしたことを受けて行われるものだ。
NHTSAは、サイバーキャブには、ハンドル、ブレーキペダル、アクセルペダル、ミラーなど、恒久的に取り付けられた従来の手動操作装置が欠けていると指摘した。
同庁は、テスラの認証の根拠や、同社が特定の連邦自動車安全基準(FMVSS)が当該車両に適用されないと判断した範囲など、関連する問題について調査を行うと述べた。
テスラはコメント要請に対し、直ちには回答しなかった。
州の記録によると、金曜日の午前時点で、このEVメーカーはテキサス州に420台の自動運転車を登録しており、その中には45台の「サイバーキャブ」が含まれている。
この通りです。