テスラのFSD V14.1.3が今週リリースされ、ロボタクシー向けの機能が搭載されました。今回は、カメラに焦点を当てたフロントガラス清掃機能が更新されています。
当初はロボタクシー向けとして開発されたこのソリューションは、カメラ前面のフロントガラス領域を清潔に保つ役割を果たします。
Tonight was the first time I experienced the new @Tesla FSD V14 windshield wiper front camera self-cleaning feature.
— Sawyer Merritt (@SawyerMerritt) October 21, 2025
Tesla: "Added automatic narrow field washing to provide rapid and efficient front camera self-cleaning, and optimize aerodynamics wash at higher speed." pic.twitter.com/Pu0vRa3tDx
よりスマートな洗浄方法
FSD V14.1.3のリリースノートには「自動狭域洗浄」と記載されており、「フロントカメラの迅速かつ効率的な自己洗浄を実現し、高速走行時の空力性能を最適化する」と説明されています。
従来のワイパーがフロントガラス全体を清掃しようとするのとは異なり、このシステムはカメラ周辺領域に洗浄液を集中させ、複数回のワイパー動作で虫や汚れ、道路塩などの異物を除去します。カメラ領域を重点的に清掃することで、テスラは重要な部分を複数回拭き取りつつ、通常のワイパー回数でフロントガラス全体の清掃も実現しています。
フロントカメラが認識できる範囲はフロントガラス上のごく一部(約3インチ×5インチ)に限られます。この領域に汚れやシミがあると、FSDの性能に深刻な影響を及ぼします。人間であれば虫による小さなシミを無視して視界を確保できますが、FSDではこのような問題が重大な障害となるのです。
テスラ技術者が詳細を共有
テスラのAIエンジニア、ユンタ・ツァイ氏がX(旧Twitter)で本機能の設計背景について言及しました。
同氏によれば、カメラ領域を適切に清掃するためには、大量の水を保持した状態で複数回のワイパー動作を行う必要があったとのことです。この解決策に至るまで、テスラは風洞実験を実施し、様々な車速や風速における流体力学を研究しました。また、重要な状況下でカメラが部分的に遮られないよう、清掃ワイパーの作動タイミングはテスラビジョンが決定すると述べられています。
ツァイ氏はさらに、新車納車時に使用される青色染料入りワイパー液についても言及し、この染料がウォッシャーシステムの漏れ検査に役立つと説明しました。
液を排出した後は、気候に応じて蒸留水とエタノール/メタノールの混合液を補充することで最適な洗浄効果が得られます。高品質なウォッシャー液の多くはこの配合ですので、通常のウォッシャー液を使用しても問題ないでしょう。ただし、テスラの車両マニュアルでは、レインエックス洗浄液のような添加剤入り液体の使用は推奨されていません。添加剤はワイパーブレードがフロントガラス上で跳ねる原因となる可能性があるためです。
この機能はFSD V14の全バージョンで利用可能であり、HW3搭載車両にはテスラのV14「ライト」版として来年導入される見込みです。
FSD V14にはロボタクシー向けFSD機能が多数統合されており、本機能もその一つです。ツァイ氏がXで指摘された通り、このシステムは「驚異的な」連携技術の結果であり、厳格なテストを経て実証されています。愛好家や投資家にとって、テスラの自律走行未来を支える堅牢なシステムの一端を垣間見られる事例と言えるでしょう。
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