テスラ車の米国中古車価格が急落する中、日本市場ではどうなっているのか調べてみた、その結果は?

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Credit:Tesla
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3月19日の記事、「テスラの中古車価格は、他より3倍の速さで下落しています」では、米国においてテスラの中古価格の下落が激しくなっているということでした。もちろん、様々な要因があるとは思いますが、概ねイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)の取り組みや、右派への傾倒に嫌気が差した層の反発と想定されます。

ただ、これは米国内での話なので日本国内のテスラ中古車市場がどうなっているのかを改めて調査してみました。

中古価格に与える主な要因

ブランドイメージと市場の影響

テスラのブランドイメージは、イーロン・マスク氏に関するネガティブな認識により一部の層、それもこれまでテスラ車を積極的に購入していた層で低下しており、多くのオーナーが車両を売却することで供給が増加し、価格が下落しているようです。特に米国において、2025年3月のデータでは、中古テスラ車の価格は他の中古車市場の3倍の速度で下落しているとのことです。

米国での価格変動

各モデルの価格下落率は異なりますが、特に米国ではサイバートラックが過去1年間で価格が58.28%も下落する一方で、モデル3は11.52%、モデルYは13.56%の下落、となっています。これは需要の違いや新モデルの影響を反映していると考えられます。以下の表は米国におけるテスラ車の中古価格の推移です。

モデル
平均価格(USD)
過去30日
過去90日
過去1年
Cybertruck
91,924
-4.57%
-11.46%
-58.28%
Model 3
23,622
-0.11%
-4.19%
-11.52%
Model S
31,629
-1.29%
-8.32%
-6.33%
Model X
41,438
+1.29%
-4.42%
-8.8%
Model Y
30,399
-0.42%
-2.9%
-13.56%

一方で、トランプ大統領になる以前から、イーロン・マスク氏が「変になる」以前から、日本国内では全くと言っていいほどテスラ車が売れてませんので、この状況にも違いがあると考えられます。

技術的要因

バッテリーの劣化や車両のコンディション(例:走行距離、充電ポートの問題)も中古価格に大きく影響を与えています。特に、バッテリーの状態が悪い車両は価格が低くなる傾向があるのは当たり前です。また、そもそも日本ではBEV(バッテリー電気自動車)に対するバッテリー劣化のイメージが大きく影響すると考えられます。かつての空冷式日産リーフのバッテリー問題や普段使っているスマートフォンのバッテリー劣化と同じことが電気自動車でも起こるという不安感が大きく影響すると思われます。

ただ、この都市伝説は、実際のテスラ車のバッテリー劣化状況の大規模な調査から杞憂であることが証明されています。

新型モデルYの影響

テスラは最初に中国市場から新しいモデルY(いわゆるジュニパー)の販売を2025年1月初旬に開始しました。その後、日本も含む全世界で販売を開始しましたので、従来型のモデルYのリセールバリューにも少なくとも影響を与えると考えられます。

中古価格の分析

去年の9月に、そしてそれからおよ4ヶ月経過した2025年1月にもテスラモデル3とモデルYの価格を、中古車仲介サイトgooネットからデータで抽出して調査して記事にしています。今回も同じサイトから3月20日現在で販売されている中古モデル3とモデルYのデータを分析しています。

中古平均価格の推移

上のグラフは、販売されている中古のモデル3とモデルYの2024年9月から2025年3月までの平均価格の推移です。もちろん、グレードやその構成、オプション、カラーなど価格に与えるファクターはたくさんあるのですが、それを前提としても単純平均価格は全体の傾向を表すと仮定しています。

これを見ると、2024年9月からの値落ちは大きいですが、1月と3月を比べてもさほど価格は下がっておらず、モデル3で0.6%、モデルYで1.6%程度です。

中古販売台数の推移

更に、同じデータを販売台数で見ると、一つ大きな特徴として今回2025年3月時点でのモデルYの中古販売台数が1月の134%になっている点が挙げられます。これは、おそらく新型モデルY発売の影響かと考えられます。

走行距離との関係

以下は、モデル3とモデルYの中古価格と走行距離の関係をプロットしたものです。両モデルとも大きな値落ち(プロットの偏り)は見られないと思われます。

モデル3
モデルY

米国でのテスラ中古価格暴落の記事から、日本中古市場での状況を見てみたところこの記事執筆時点ではほとんど以前と変わらない状況が続いていることが見て取れます。

もしかすると、新型モデルYの納車が始まる4月以降とか、新型モデル3が納車開始された3年後(初回車検)とか、別のファクターで価格は変動していくのかもしれません。このデータは、今後も継続的にレポートさせていただきます。

テスラ関連の最新記事を毎日随時アップしていますので、過去のニュースはこちらを参照ください。

※免責事項:この記事は主にテクノロジーの動向を紹介するものであり、投資勧誘や法律の助言などではありません。また、記事の正確性を保証するものでもありません。掲載情報によって起きたいかなる直接的及び間接的損害に対しても、筆者・編集者・運営者は一切責任を負いません。また、運営者はテスラ株式のホルダーです。

コメント

  1. やっさん より:

    独裁者マスクのEVなど金を付けてくれてもいりません。

  2. トランプと習近平 より:

    バッテリーの劣化?問題はそこでは無い。
    東日本大震災のあと、日本の発電は火力やガス発電が主流。
    あと重たい車体や、事故時や故障時の部品の手配も問題。
    まだBYDを買った方が将来性がある。

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