ポッドキャスト番組「ライド・ザ・ライトニング」の最新エピソードで、テスラのエンジニアリング担当副社長であるラース・モラヴィー氏が、誰もが気になっている質問、つまり「モデルSとモデルXに何が起こっているのか?」に答えました。
その結果、テスラのエンジニアリングチームとデザインチームは、同じことを考えていたことが判明しました。テスラの2つのフラッグシップ車に今後変更が加えられることは明らかなようです。
最も重要なのは、ラースがある噂を打ち消したことです。
その噂というのは、テスラが(あまり売れない)モデルSとモデルXの販売を中止するというものです。しかしながら今回明らかになったのは、その販売中止の計画はないということです。これらの車は今後も販売されるだけでなく、リフレッシュも計画されているのです。
「もう少しお待ちください。私たちはそこにたどり着きます-ラース・モラヴィー」
フラッグシップ車の刷新
ラース・モラヴィー氏によると、モデルSとモデルXはようやく注目されるようになりますが、それは今年後半以降になるとのことです。当面、テスラの最優先事項は、2025年第2四半期より前に、より手頃な価格の次世代車両(いわゆるモデル2もしくはモデルQ)を発売することです。
とは言うものの、2つのフラッグシップ車のモデルチェンジは間近に迫っており、モデル3とモデルYのリフレッシュ版で確認された多くのアップグレードが、テスラの主力車種にも導入される見込みです。このシンプルな声明から読み解くべきことはたくさんあります。そこで、今後登場しそうなもの、そして期待したいものについて詳しく見ていきましょう。
インテリアのアップデート
モデルS/Xという両方のフラッグシップ車には、サイバートラックにインスパイアされたアップデートが予定されていますが、鋭角のデザインやステンレススチールの外装といった形でのアップデートではありません。その代わり、テスラでは、サイバートラックの多くの機能がモデルSとモデルXに採用される可能性があります。サイバートラックのデザインと同様に、運転席のメータークラスター表示が取り除かれ、より大きなセンタースクリーンが採用されるかもしれません。モデル3とモデルYのリフレッシュ版とは異なり、この画面はチルトしないため、生産が簡素化され、モデルS、モデルX、サイバートラック間の部品共有が増加します。
これらの変更により、テスラのサプライチェーンが合理化されると同時に、車両の修理やサービスも容易になります。しかし、機能削減だけがすべてではありません。昨年、モデルSとモデルXは、アンビエントライトを含む中間期のインテリアリフレッシュを受けるという噂がありました。この控えめながらエレガントな照明は、明るすぎたり邪魔になったりすることなく、キャビンの美観を向上させます。
もう一つの大きなアップデートは、48Vの低電圧電気システムへの移行である可能性が高いです。テスラはすでにサイバートラックでこの移行を行っています。テスラは最近、サイバートラックの多くの技術、例えばこの48Vという低電圧システム、800ボルトの高電圧アーキテクチャ、双方向充電など、が今後のテスラ車に採用される予定であると公表しました。
このアップグレードにより、モデルS/Xにステア・バイ・ワイヤのサポートが追加され、ヨーク・ステアリング・ホイールの使い勝手が大幅に向上する可能性もあります。
エクステリアのアップデート
エクステリアの変更に関しては、何が起こるのかはっきりとは分かりません。ボディ全体の大幅な変更は考えにくいですが、新しいモデルYのように、フロントとリアのデザインが更新される可能性は十分あります。テスラには、モデルSの象徴的なデザインを維持してほしいものです。その流線型の攻撃的なプロファイルは幅広い層にアピールします。シャープなラインと堂々とした存在感を好むマッスルカー愛好家にもです。
モデルXについては、テスラはモデルYのリフレッシュと同様の戦略を踏襲し、モデルSとの差別化をさらに進めるかもしれません。また、最近登場した新しいモデルY、サイバートラックやサイバーキャブのような、ライトバーやリアライトバーの導入も考えられます。テスラは最近のモデルでグリルレスの外観を本当に完成させました。そのデザインがモデルSとモデルXのリフレッシュにも採用される可能性もあります。
FSDハードウェアの変更

モデルSとモデルXのリフレッシュのタイミングは、テスラの次世代FSDハードウェアであるAI5の発売と重なる可能性があります。テスラがまだAI4の能力を十分に活用していないことを考えると、これは予想外のことですが、AI5が約18か月後に利用可能になるというマスク氏の2024年6月の声明と時期的には一致する可能性があります。結局のところ、サイバーキャブは、今夏に生産が開始されAI5が搭載されることになるはずですので、今回のモデルS/Xにも搭載される可能性は高そうです。
さらに、最近リニューアルされたモデルYと同様に、モデルSとモデルXにもフロントバンパーカメラが搭載されるという噂が以前からあり、今回のアップデートでそれが実現する可能性も高いと考えられます。 一方、テスラはこれまでモデルSとモデルXに搭載されていた(無効化されているものの)HDレーダーを削除する可能性もあります。 レーダーはデータ収集目的で搭載されているようですが、テスラは自動運転スタックへのこのHDレーダーを統合することに完全にコミットしているわけではありません。
駆動系とバッテリー
モデルSとモデルXは、以前は比較的旧式のエアサスペンションシステムを使用していました。 これらの車をお持ちの方は、おそらくこの問題をご存知でしょう。車両の高さに応じてキャンバー(ホイールの角度)が変化し、タイヤの内側または外側の摩耗が増加します。 車両の圧倒的な加速と相まって、タイヤの摩耗が増加する可能性があります。
サイバートラックのエアサスペンションが更新されたことで、新しいサスペンションの機能により、この問題は大幅に軽減されます。テスラが、ハンドリングを向上させる他のアップデートとともに、同様の改善を統合することは理にかなっています。モデル3パフォーマンスのリフレッシュ版に施された変更と同様です。また、モデルS/Xの最上級グレードPlaidの2つのモデルにトラックモードV3が追加されることも歓迎されるでしょう。
さらに、サイバートラックの800V高電圧アーキテクチャを採用すれば、新しいモデルSとモデルXの充電が高速化され、V4スーパーチャージャーでサイバートラックがまもなくサポートする500kWの速度に達する可能性もあります。
新しい生産ライン
株式アナリストのM44_1RJ氏から、もうひとつ興味深い情報が流れています。
噂によると、テスラはモデルSの生産ラインを新たな目的のために改造しており、モデルS自体もいくつかの変更を受けているとのことだ。事情に詳しい関係者からの情報。
モデルSとモデルXの生産ライン(社内ではフリーモント工場のGA1ラインとして知られています)がアップグレード中であるという噂です。 これらの改善は、今後発売されるこれらの車両の改良版に向けたテスラの準備の一部である可能性が高いです。
テスラがモデルSとモデルXのリフレッシュ版にどのようなものを準備しているのか、非常に興味があります。これらの主力車種にまったく新しい機能が追加される可能性もありますが、サイバートラックの改良点の一部が引き継がれる可能性が高いでしょう。
さらに、Plaid+のバリエーションがモデルSに復活し、世界中のサーキットで話題となっているルーシッド・エア・サファイアやその他の電気ハイパーカーに匹敵するスタイリッシュな車種となることを期待する声もあります。
テスラは何か大きな計画を立てているようですが、おそらく少なくとも6か月は先のことでしょう。夏が終わる頃には、サイバーキャブとテスラのより手頃な価格のモデルが発売された後で、より具体的なアップデートが発表されると予想されます。
ポッドキャスト「ライド・ザ・ライトニング」は以下から視聴可能です。
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