テスラのロボタクシー発表イベントは最大の「おとり商法」?

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Credit:Tesla
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テスラは、ソフトウェアのアップデートにより、同社のエンドユーザー向け車両が自動運転タクシーに変身するという長年の約束を維持しながら、ロボタクシーとして特別に設計された車両を発表する予定です。しかしながら、これは「おとり商法」ではないかと疑問視する声もあります。

テスラの当初の約束

2016年当時、CEOのイーロン・マスク氏は、すべてのテスラ車が近い将来、完全な自動運転車となり、ロボタクシーとして稼働し、将来のソフトウェアアップデートにより所有者に収入をもたらすようになると約束しました。当初、イーロン・マスク氏はこの機能が数年以内に実現すると述べていましたが、2019年以降は毎年「年内」に実現すると述べており、今年で5年連続で同じことを言っていることになります。

最近では、イーロン・マスク氏は確固とした予測を立てることをやめています。しかし、今夏、同氏は再び示唆し、「来年、テスラが監視なしの自動運転を実現できなければ、私は逆に驚く」と発言しました。

テスラの自動運転戦略と競合他社

テスラの自動運転へのアプローチは、ウェイモやGMのクルーズといった競合他社とは大きく異なります。テスラは、レーダーやLiDARなどのセンサーの組み合わせに頼るのではなく、カメラと人工知能ニューラルネットワークを搭載したビジョンベースのシステムのみに賭けています。

2016年以降、テスラは最大価格15,000ドルの完全自動運転(FSD)パッケージを販売しており、今後のソフトウェアアップデートにより既存のハードでも完全自動運転が可能になることを約束しています。これに対し、ウェイモとクルーズはすでに地理的に囲い込まれた限定的なエリアで完全自動運転車両を配備し、ウーバーのような配車サービスを実際に運営しています。 センサーを多数搭載したこれらの車両は、すでに毎月数千件の自動運転サービスを提供していますが、テスラのシステムは責任が運転手にあるレベル2の自動運転にとどまっており、マスク氏が構想する無人自動運転にはほど遠いという状況なのです。

マスク氏はウェイモのジオフェンシングモデル(地理的に囲まれたエリアに限定の自動運転)を批判し、テスラの野望は地理的な制限区域を超えて、大規模に人間の運転手を置き換えることだと主張しています。しかし、現時点では、ウェイモが自動運転の実現において大きくリードしている状況のようです。

テスラの自動運転用ハードウェアは、ウェイモのシステムに比べればコストははるかに低く、高精細マッピングに頼ることもありませんが、それでもまだ約束通りに機能しているわけではありません。

テスラのロボタクシー登場

テスラの新しいロボタクシーがこの構図にどう当てはまるのかは不明です。マスク氏は、ハンドルやペダルさえも装備しない可能性がある「完全自動運転専用車」と表現しており、完全に自動運転用に設計されています。

この車両の自動運転機能を支えるテクノロジーは、テスラの現在の消費者向け車両のハードウェアと同一ではないにしても、同様のものになると予想されています。しかし、アップデートは可能です。問題は、入手可能なデータに基づくと、テスラの現在の完全自動運転プログラムは、無人運転に必要な自動運転レベルにはほど遠いということです。

テスラがハンドルなしのロボタクシーを運転するには、ウェイモのアプローチと同様に、地理的フェンスで囲まれた地図化された環境を導入する必要があるかもしれません。テスラはまた、「テスラ・ネットワーク」と呼ばれる独自のライドシェアリングサービスを開始するというアイデアを提示していますが、これはまだ実現していません。

これはおとり商法か?

FSDパッケージを購入したテスラのオーナーは、10月10日のロボタクシーのお披露目を特に注目しているでしょう。特に、自動運転機能に何がパワーを与えているのかに注目しているでしょう。もしロボタクシーが現在のテスラと同じハードウェアを使用し、ジオフェンス(地理的に限定)されたエリアで運転されるのであれば、必ずしも悪いニュースというわけではありません。テスラは最終的な商業化に向けて取り組んでいるのかもしれません。まずはコントロールされた環境で、その後、その能力を拡大していくというわけです。

しかし、ロボタクシーが現行のテスラ車には搭載されていない、または後付けできない新しいハードウェアを搭載している場合、FSDに投資したオーナーはテスラに欺かれたと感じるかもしれません。懸念されるのは、約束とは裏腹に、彼らの車が完全な自律型ロボタクシーになることはないのではないかということです。

路上に何百万台も走っているテスラのHW3車(ハードウェア3、現在の最新はHW4)が、無人自動運転を実現できるのかという懐疑的な見方が強まっています。昨年、マスク氏はHW3のFSDはHW4より6か月先行していると主張しましたが、そのスケジュールはその後ひっくり返りました。テスラが自動運転システムに大幅な改善を必要としていることを考えると(重要な介入の間の走行距離は約1,000倍)、HW4の車両がHW3はおろか、近い将来に無人自動運転に到達することは難しいでしょう。

テスラはまだHW3での敗北を認めていないかもしれませんが、このロボタクシーのお披露目は、同社の自動運転の約束とそれを信じた顧客にとって重要な瞬間となるでしょう。

もしテスラが新しいハードウェアとともにジオフェンシングされたロボタクシーシステムをローンチすれば、テスラがHW3や将来的にはHW4に関する主張の一部を撤回し始める可能性まであると考えられます。

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