値下げにも関わらず、テスラが中国で低迷している理由

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Credit:Tesla
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テスラ(NASDAQ: TSLA)は、1月の販売台数が前月比18%増と急増しても、中国ではそれほどうまくいっていないかもしれません。昨年の年末にかけて、テスラは中国での価格を2度にわたって引き下げたうえ、今年に入っても大幅に値下げし、中国市場で最も安価な水準まで値段を下げている状況にも関わらず、です。

中国での販売台数が増えても、この市場における新モデルの投入、ナビゲーションシステムの改善、豪華な内装の追加に関しては、テスラは中国の競合他社に遅れをとっていると広く信じられています。

これを変えるため、テスラは最近、ギガ上海工場での生産を一時的に停止し、生産のアップグレードとモデル3の改良版を中国で展開するための準備をしていると報じられました。同社は3月に上海工場で週2万台の生産を目指している。

しかし、これらの施策は中国の競合他社と競争していくのに十分なのでしょうか。テスラの創業者兼CEOであるイーロン・マスク氏が第4四半期の決算説明会で認めたように、中国市場は「世界で最も競争の激しい市場」となっているのです。

中国乗用車協会(CPCA)のデータを引用したロイター通信の報道によると、テスラの市場シェアは侵食されており、2020年には15%だったものが、昨年はわずか10%にまで落ち込んでいます。このシェア低下は、EVの需要が低下していることが原因ではありません。それどころか、中国汽車工業協会は、今年のEVとプラグインハイブリッドの販売台数が35%も急増し、900万台、中国全体の新車販売の約33%を占めると予測しているのです。

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テスラを追い抜く中国EVメーカー

テスラの中国の競合企業の中で、ウォーレン・バフェットの支援を受けるBYD(BYDDY)は最も手ごわい存在となっています。同社は1月の中国でのEV販売台数が前年比62.4%増となり、テスラに次いで2番目に多い納車台数を記録しました。

BYDはすでに世界のプラグイン車販売台数でテスラを抜いており、現在約60種類のEVとプラグインハイブリッドカーを展開しています。

ウォーレン・バフェットが率いるバークシャーハサウェーの副会長、チャーリー・マンガー氏はCNBCで、以下のように語っています。

「テスラは昨年、中国で2回値下げをしました。BYDは価格を引き上げました。私たちは直接の競争相手です。BYDは中国でテスラよりずっと先を行っている……ほとんど馬鹿げていると言える状況です。」

実際、BYDは22年度の調整後年間利益を24億ドルと予想しており、21年度比1,200%という大幅な伸びを記録しています。

またテスラのナビゲーションシステムに関して言えば、中国の道路では更新が遅く、エラーが全くないわけではないという報告がある。

中国の自動車ブロガーであるイェン・チャン氏はロイターに、以下のように述べています。

「(テスラは)ナビゲーションの更新がほぼ完璧に機能しているNio、(EVブランドの)Xpeng、Li Autoとは対照的なのです。」

これは、これらの中国EV企業の1月の販売記録にも表れており、Li Auto(LI)を除いて、XPeng(XPEV)とNIO(NIO)はともに車両納入台数が急増しているのです。

GLJリサーチのアナリスト、ゴードン・ジョンソン氏も、テスラの中国での見通しを強気に語っているわけではありません。同アナリストは、なんと目標株価73ドルの「売り」と超弱気なのです。 ジョンソン氏の目標株価は、現在の水準で65.9%の下落の可能性を意味しています。

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同アナリストは、テスラが2月6日から2月12日までの1週間に中国で販売した車はわずか6,963台で、1月に上海で生産した約17,734台の39%に過ぎないと指摘しています。

したがって、ジョンソン氏は、テスラの第1四半期の中国での販売台数は、前四半期比25.8%減の約90,000台となり、コンセンサス予想の約129,000台を大きく下回ると見ています。

同アナリストは、以下のように要約してます。

「より明確に言えば、テスラの2023年第1四半期の中国国内販売台数が、現在のデータが示唆するように、10万台以下、または10万台前後となった場合、株価には激しい売り圧力がかかると考えます。」

ジョンソン氏以外のアナリストは、テスラ株を比較的楽観視しており、22人の「買い」、6人の「ホールド」、3人の「売り」に基づくコンセンサス評価は「弱い買い推奨」となっています。

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