2022年世界EV販売台数レポートの締めくくりとして、最もプラグイン電気自動車を販売している自動車グループ、最も純粋な100%電気自動車(BEV:バッテリー電気自動車)を販売している自動車グループを紹介します。
プラグイン車販売ランキング/2022年
プラグイン車販売台数を自動車グループ別に集めると、テスラ(プラグイン車シェア13%)はBYD(シェア18.4%)に2022年の王座を奪われました。BYDは2022年第3四半期と比較して1.1ポイント、1年前と比較して9ポイントの大幅増となり、テスラは第3四半期と比較して0.3%、2021年と比較して1%減少しました。
フォルクスワーゲン・グループは3位にとどまり、第3四半期比で0.2%のシェア獲得、2021年比で4ポイント減少しました。
SAIC(上海汽車:7.2%、11月の7.4%から減少)は4位に留まりましたが、この上海の自動車メーカーは引き続き気になる速度でシェアを落とし、第3四半期比で0.4%、前年同期比で約4%も減少しています。
自動車メーカーグループ | 台数 | 市場シェア | |
1 | BYD | 1,857,549 | 18.4% |
2 | Tesla | 1,314,330 | 13.0% |
3 | Volkswagen Group | 831,844 | 8.2% |
4 | SAIC(上海汽車) | 724,911 | 7.2% |
5 | Geely-Volvo | 606,114 | 6.0% |
世界合計 | 10,091,164 | 100.0% |
2023年も1位、2位はBYDとテスラの争いが固いと思われますが、銅メダル争いはどう展開するでしょうか。おそらく3位はフォルクスワーゲン・グループの勝利が確実でしょう。SAIC(上海汽車)には、ドイツのコングロマリットであるフォルクスワーゲンに迫るほどの勢いがあるとは思えませんし、逆にトップ2との差を少しでも縮めたいところです。SAICは、単純に市場シェアの減少を食い止めることができれば満足な年と言えるかもしれません。
どちらかというと、ジーリーグループ(吉利汽車:6%、5.9%から上昇)が市場シェア上昇を続け、第4四半期に0.3%、前年同期比で2%ほどシェアを伸ばしました。今年中にSAIC(上海汽車)に追いつきそうな勢いとなっています。
6位の韓国ヒョンデ・キア・グループ(4.7%)と7位のステランティス(4.6%)が競い合っており、2023年中はこの状態が続くと思われます。2023年にどうなるかはともかく、2022年に大きく伸びたのはBYDとジーリー・ボルボグループとなりました。
バッテリー電気自動車ランキング/2022年
BEVだけを見ると、テスラが再び王座を獲得し、BEVの世界シェアは18.2%という結果となりました。これは、2021年のシェア21%から低下し、さらに2022年第3四半期のシェアよりも0.3%低く、2020年末の23%には遠く及ばない結果となっています。とはいえ、18.2%のシェアは、これまでの過程を考えれば特筆すべきことでもあります。
去年の2位は、一昨年の2021年に4位だったBYD(12.6%)で、その間に5%ものシェアを獲得しています。さらに、2022年第3四半期と比較すると、BYDは0.7%のシェア増加を獲得しています。
この勢いを保って、BEV市場でも2023年、BYDはテスラに勝てるでしょうか?
これを推測するのは早計だと考えられます。ただ、2024年を通して今のトレンドが続けば、その年の第2四半期か第3四半期あたりにそれが起こるかもしれないのは事実です。テスラは2023年もシェアを落とし続け、BYDはシェアを伸ばし続けるはずですが、その理由のひとつは、今年からBYDのラインナップがBEV偏重になることです。また、輸出は基本的にBEVが中心で、PHEVは一部の市場のみであることも理由のひとつになります。
つまり、2023年にはBEVの比率が高くなるため、プラグイン市場におけるBYDのシェアは停滞するかもしれない一方で、BEV市場でのシェアは拡大し続けると考えられます。
自動車メーカーグループ | 台数 | 市場シェア | |
1 | Tesla | 1,314,330 | 18.2% |
2 | BYD | 913,052 | 12.6% |
3 | SAIC(上海汽車) | 671,725 | 9.3% |
4 | Volkswagen Group | 571,067 | 7.9% |
5 | Geely-Volvo | 383,936 | 5.3% |
世界合計 | 7,233,136 | 100.0% |
11月の9.6%から9.3%のシェアを獲得したSAIC(上海汽車)は、2022年第3四半期と比較して半減、2021年の結果と比較して約4ポイントも減少し、3位という結果になりました。
フォルクスワーゲングループ(7.9%、0.4%増)は今回表彰台から外れ、2021年比で2ポイント減となり4位で終了しました。
5位は、上昇中のジーリー・ボルボグループ(吉利ボルボ:5.3%、11月の5.1%から上昇)で、2022年第3四半期と比較して0.5%、2021年と比較して1ポイントもシェアを伸ばしました。
テスラは2022年後半にかけての需要減退、景気悪化によるバックログの減少を受けて、2023年の年初に大幅な値下げを全世界的に実施しました。この思い切った戦略による販売台数への影響が今後どう出るか、注意が必要です。
この記事はこのサイトを引用・翻訳・編集して作成しています。
テスラ関連の最新記事を毎日随時アップしていますので、過去のニュースはこちらを参照ください。
人気記事
新着記事
※免責事項:この記事は主にテクノロジーの動向を紹介するものであり、投資勧誘や法律の助言などではありません。また、記事の正確性を保証するものでもありません。掲載情報によって起きたいかなる直接的及び間接的損害に対しても、筆者・編集者・運営者は一切責任を負いません。また、運営者はテスラ株式のホルダーです。