【2026年最新】テスラの賭け:Model S/Xを葬り去り、1000万台のロボット軍団を作る「Optimus計画」の全貌

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Credit:Tesla
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自動車業界に激震が走りました。2026年1月、テスラは同社の象徴であったフラッグシップモデル「Model S」と「Model X」の生産を終了すると発表しました。これは単なる車種整理ではありません。イーロン・マスクが描く「物理的AI(Physical AI)」企業への完全な脱皮を意味する、歴史的な転換点なのです。

なぜテスラは高級車を捨てたのか? その答えこそが、人型ロボット「Optimus」です。

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1. さらば名車たち:フリーモント工場が「ロボットの巣」に変わる日

2026年1月28日、イーロン・マスクはModel SおよびModel Xの生産を2026年第2四半期までに終了し、両モデルに「名誉除隊(honorable discharge)」を与えると宣言しました

その理由は冷徹なまでに合理的です。かつてEV革命を牽引したこの2車種は、今やテスラの総出荷台数のわずか3%に過ぎません。テスラはこのフリーモント工場の生産ラインをすべて解体し、そこに年間100万台の生産能力を持つ「Optimus Gen 3」専用ラインを構築します。

これまで年間5万台の車を作っていた場所で、これからはその20倍の数のロボットが生まれるのです。これは、テスラがもはや「自動車メーカー」ではなく「ロボットメーカー」へと軸足を移した決定的な証拠と言えるでしょう。

2. Optimus Gen 3:ついに始まった「量産」の衝撃

2026年1月21日、テスラはフリーモント工場でOptimus Gen 3の量産を正式に開始しました。これは実験室のプロトタイプではなく、実社会で労働するために設計された製品です。

Gen 3の驚異的な進化

これまでのモデルと比較して、Gen 3は何が違うのでしょうか?

  • 人間を超えた「手」: Gen 2では11自由度だった手が、Gen 3では22自由度(DoF)に倍増しました。腱駆動システムを採用し、卵を割らずに掴む繊細さと、工具を扱う力強さを両立。3,000種類以上のタスクを実行可能です。
  • 圧倒的な身体能力: 重量は前モデルからさらに軽量化され57kgに。歩行速度は時速10〜12kmに達し、「飛翔期」を含むランニングすら可能にしています。
  • 脳(AI): テスラの自動運転(FSD)技術を応用した「AI5」チップを搭載。LiDARを使わず、カメラのみで空間を認識し、YouTubeの動画を見るだけで新しいタスクを学習する能力を備えつつあります。

現在、すでに1,000台以上のOptimusがテスラの工場内で稼働しており、バッテリーセルの選別や部品の運搬といった実業務をこなしています。

3. テキサスの野望:Gen 4と「1000万台」生産計画

フリーモントでの100万台生産は、ほんの序章に過ぎません。イーロン・マスクの真の狙いは、テキサス・ギガファクトリー(Giga Texas)にあります。

最新の報道によると、テスラはテキサス工場内にOptimus専用の巨大生産施設を建設中です。ここで生産されるのは、次世代モデル「Optimus Gen 4(V4)」です。

Gen 4は何を目指すのか?

  • 生産目標: 年間1,000万台。現在の世界の自動車生産台数に匹敵する規模のロボットを、たった一つの拠点で生み出そうとしています。
  • 発売時期: マスク氏は2026年末までに限定的な外部販売を開始し、2027年には一般販売を目指すと発言しています。
  • 価格破壊: 最終的な目標価格は2万ドル(約300万円)未満。軽自動車よりも安い価格で、24時間文句を言わずに働く労働力が手に入る未来を描いています。

4. 火星への片道切符:2026年、ロボットは宇宙へ

「火星移住」という人類の夢においても、Optimusは主役の座を占めています。2025年3月、マスク氏は「2026年にSpaceXのスターシップでOptimusを火星に送る」発表しました

これは単なるパフォーマンスではありません。火星という過酷な環境(極端な温度変化、粉塵、低重力)は、ロボットの耐久性を証明する究極のテストフィールドです。また、通信遅延により地球からのリアルタイム操作が不可能な火星では、Optimusの完全自律AIの真価が問われることになります。

5. 競合との死闘:迫りくる「中国製ロボット軍団」

テスラが独走しているわけではありません。2026年のヒューマノイド市場は、「脳のアメリカ」vs「身体の中国」という鮮明な対立構造の中にあります。

  • Figure AI (米国): BMWの工場で稼働実績を持つ「Figure 03」は、AIの推論能力で高い評価を得ていますが、価格は約13万ドルと高額です。
  • Unitree Robotics (中国): 「H2」モデルはわずか29,900ドルという衝撃的な価格で市場に投入され、テスラの価格競争力に真っ向から挑んでいます。
  • Agility Robotics (米国): Amazon倉庫で稼働する「Digit」は、二足歩行の安定性と物流特化の実績で先行しています。

2025年の世界のヒューマノイドロボット設置台数のうち、80%以上を中国企業が占めているというデータもあり、テスラにとって最大の脅威は中国の圧倒的な量産スピードです。

6. 懸念点:夢と現実のギャップ

バラ色の未来ばかりではありません。専門家たちは依然として慎重な姿勢を崩していません。

  • テレオペレーション疑惑: 2024年のイベント「We, Robot」で、Optimusがゲストと会話したりジャンケンをしたりした際、実は人間が遠隔操作(テレオペレーション)していたことが明らかになり、批判を浴びました。完全自律への道はまだ半ばです。
  • スケジュールの遅延癖: マスク氏のタイムラインは常に楽観的です。2026年末の外部販売開始という目標も、「イーロン・タイム」を考慮すれば2027年以降にずれ込む可能性が高いと見る向きもあります。
  • 安全性: 重さ57kgの金属の塊が家庭内を歩き回るリスクは計り知れません。iRobotの創業者ロドニー・ブルックス氏は、汎用ロボットが家庭で完璧に機能するのは「純粋なファンタジー」だと警告しています。

結論:テスラは「驚異的な豊かさ」を実現できるか?

テスラは2026年、企業ミッションを「持続可能なエネルギーへの移行」から「驚異的な豊かさ(Amazing Abundance)の構築」へと変更しました

これは、ロボットによる無限の労働力が、人類から貧困をなくし、すべての人が高所得を得られる世界を作るという宣言です。Model SとModel Xの生産終了は、その後戻りできない決意の表れです。

2026年は、テスラが自動車メーカーとしての幕を引き、「物理的AIとロボティクスの帝国」として生まれ変わる元年となるでしょう。OptimusがiPhoneのように普及し、私たちの生活を一変させるのか、それとも壮大な夢物語で終わるのか。その答えが出るのは、そう遠い未来ではありません。


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