イーロン・マスクCEO冒頭挨拶
D.O.G.Eで働いていた時期のせいで、多少の反発があることは承知しているが、私は無駄と不正と戦い、国を正しい道に戻すことは正しいことだと思う。アメリカという船が沈むと、テスラを含むすべての人が一緒に沈むことになる。なので、これは非常に重要なのです。
テスラの未来は、基本的に大規模な自動運転フリートと大量生産されるヒューマノイドロボットに依存しています。有用な自動運転車とヒューマノイドロボットを低コストで大量生産する会社の価値は計り知れないのです。私はテスラが優れた実行力で世界最高の価値を持つ企業になると信じています。現在の時価総額1~5位の企業を合わせたよりも大きな価値を持つことができると考えています。
数ヶ月前からずっと言っているように、6月にテキサス州オースティンで自動運転車の運行を開始する予定です。しかし、もっと重要なのはこの自動運転サービスが「いつ実質的に会社の収益に影響を与え、財務的指標に大きな変化をもたらすのか」です。それはおそらく来年(2026年)半ばか後半になると考えています。いったん収益指標に変化が出始めたら、その時点から指数関数的に成長するでしょう。
モデルS/3/X/Yのような自動運転機能を備えたテスラの車両はすべて「ロボタクシー」なのです。(つまりサイバーキャブはあくまでは追加の製品という意味)
自動運転を一定の「部分」(エリア)で成功すれば、「全体」に拡大することは難しくありません。どこでも機能することができ、規制の承認さえ得られればよいのです。これこそが人工知能を活用した「一般化されたソリューション」なのです。
2030年までに年間100万台のオプティマスを生産することも可能だと予想している。(もしかしたら2029年にも可能かもしれません)
現在、メガパックを含むエネルギー貯蔵事業は好調で、一般的にギガワット時(GWh)クラスの需要を満たしています。しかし、最終的には年間テラワット時クラス(TWh)の規模に拡大すると予想しています。
自動車市場の観点から、第1四半期は例年通常厳しい閑散期です。テスラはこの点を考慮し、第1四半期に新しいモデルYを生産することを決定し、それに応じて生産ラインを変更しました。テスラチームは、非常に困難な移行過程を見事に成功させたことを祝福します。
テスラの価値は、安価なAIベースのロボットを通じて持続可能な豊かさを提供することなのです。

一般投資家向けQ&A
Q – ロボタクシーの発売及び生産拡大で最もリスクが高い項目は?
A – 6月にオースティンにおいてモデルY車両でロボタクシーを開始します。来年中頃には大規模な自動運転が可能になると確信しています。自動運転は非常に稀に発生する多数の例外事例があるロングテールの問題がある。現在、テスト車両でオースティン地域を走行中だが、必要不可欠な人間の介入を受けるケースは非常に少ない状況です。
サイバーキャブは現在Bサンプル車両を検証中で、今四半期末に最初の大規模な構築を行う予定です。そして、今後数ヶ月以内にギガファクトリー・テキサスにすべての機器を大規模に設置し始め、来年の生産スケジュールを消化する予定です。
ギガテキサスはペンタゴンより3倍は大きいので、同じ工場でモデルYとサイバートラックを作る間、その上の階で作業を進行中です。
Q – FSD(監視なし)はいつから個人所有の車両に使用できるのですか?
A – テスラは本当に安全性にこだわっているので、あまり急ぎたくないと考えています。願わくば、今年末には複数の都市で発売する必要があると考えています。最も重要なテストは、目的地まで車内で寝て待てるかどうかを確認することです。
Q – テスラは今年、より安価なモデルを発売する予定ですか?それとも、サイバートラックの後輪駆動のような、より安価な合理化されたバージョンに焦点を当てるのでしょうか?
A – 今年は新しいモデルの発売を計画しています。他のリリース作業と同様に、最後に発生するいくつかの問題を解決しています。
内部的には、決められた予定のスケジュールで生産を開始することに問題はありません。新製品の最も重要な目標の1つは、工場の稼働率を最大限に高めることです。
そのため、フォームファクターとデザインの面で既存のラインを活用します。新たなラインを構築することは現時点では難しい状況です。新しいモデルを市場で最も安く、強力な価格競争力を持つように発売することに集中しています。
Q – テスラはロボタクシーを勝者独占市場と見ているのか? ウェイモ製品と比較した場合、どのような点を比較優位と見ているのか?
A – ウェイモの車両は高価で少量生産であることです。テスラはおそらくウェイモの価格の20~25%の価格で大量生産が可能です。
現時点ではテスラと競争できる会社はありませんので、市場シェアが99%に達するかもしれません。少なくとも90%程度は可能だと考えており、規制に阻まれない限り、その実現は長くはかからないでしょう。
人々が忘れているもう一つの点は、テスラが自動運転ソリューションだけを開発する会社ではなく、自動車も生産しているという事実です。ウェイモのように車両を輸入して改造・開発するわけではないのです。
そして今年末にはモデルYが工場から顧客に直接自動運転で到着することができると確信しています。(ファクトリー・トゥ・ホーム)
Q – アンボックスド・プロセスに関する内容を更新してください。
A – この技術はサイバーキャブの製造工程の基盤となる技術です。自動車製造規模では前例のないレベルの自動化技術になります。社内では開発は順調に進んでおり、数ヶ月後にはテスト走行が可能になるだろう。最終的には、単一のラインで5秒以内に1つの製品を生産できるサイクルタイムを達成できるようになると考えています。
また、その一部をサイバートラックの既存の生産ラインにも統合してテストしたいとも考えています。
Q – テスラは世界経済のリスク、関税、政治的偏向などにどのように対応するのですか?
A – 各工場内の部品供給をローカライズすることで、様々なリスクを継続的に緩和しています。上海生産車両は95%以上の現地部品を使用し、北米とベルリンは85%レベルの現地調達の状態にあります。
また、バッテリーに関してもローカライズを準備中です。リチウム精製所とカソード精製所を持っている自動車会社はテスラの他にはありません。テスラは非常に垂直統合されているため、サプライチェーンの中断から保護される最適な位置にあるのです。(テスラはほぼすべての部品をマルチソーシングしています)
Q – テスラは第4四半期決算発表で述べたように、バッテリー供給にまだ制約があるのですか?
A – バッテリーセルの上流サプライチェーンを米国に移管する作業を数年前から行っています。現時点では、自動車用バッテリーセルの供給に制約はない状況です。
Q – 第1四半期内のテスラブランドのイメージダウンによる注文率に変化はありますか?
A – 新型モデルYは工場生産転換後、8週間足らずで工場内の既存型モデルYの生産速度に達しました。マクロ的な問題がなければ、需要の減少はないと予想しています。
Q – オプティマス・パイロットラインに関する情報はありますか?
A – オプティマスは明らかに、まだ開発段階です。ほとんどの生産は年末に行われる予定です。様々な要素に制限要因があるため、これらをすべて考慮すると、実際の現実での制限要因は非常に多い状況で生産速度は、これらの制限要素をどれだけ早く解決するかにかかっています。
機関投資家向けQ&A
モデル3/Yの商品性は優れていますが、現在、一定レベル(~15%)以上を占めていないのでしょうか? なぜ他の人がBMWやベンツを購入するのでしょうか?
現実は、将来、ほとんどの人は車を買わないだろうということです。人々は将来、(iPhoneのような)非常にスマートな携帯電話を欲しがるでしょう。自動運転のないガソリン車を買うのは、ガラケーを使いながら馬に乗るようなものなのです。
FSDが「監視なし」に到達するためには何が必要でしょうか?
A – 遠隔支援も提供する予定ですが、これは安全運転のためではなく、可用性を高めるために必要だからです。数ヶ月後にオースティンで直接確認してください。
オプティマスのサプライチェーンの全体的な状況はどうですか?
A – サプライチェーンのローカライゼーションに多大な努力を続けています。
Q – ロボタクシーの初期車両数や規模はどのくらいでしょうか?
初期はおそらく10台から20台程度でスタートし、注意深く見守る予定です。その後、急速に規模を拡大する計画です。
FSD の監視なしを発売する場合、価格設定はどのようになりますか?
現在のFSDの月額サブスクリプション99ドルは安すぎると考えています。
現在のテスラのFSDは、運転中に道路に集中することを非常に強調しているので、この場合、車の価値がやや下がるのです。今後は車のことを気にせずやりたいことをできるように少しずつ緩和していく予定です。(最終的にFSDを使用すれば、使用するために支払った金額が人生で使ったお金の中で最も価値があるように感じられるようになります)
Q – 地理的拡大、つまりインド市場への進出の状況はどうですか?
A – 現在、テスラがインドに車両を販売すると、従来の価格より100%高い関税のレベルです。現在、この問題を解決するために努力中で、インドには中産階級が多いので、彼らを攻略したいと考えています。
Q – 走行中の太陽光の反射、霧、埃などに対してどのように対応するのですか?
テスラは直接光子計数法を使用。また、画像信号プロセッサを迂回して、一般的な人より良い走行ができるようにしています。
Q – 今後発売される車両モデルの具体的な情報を聞かせてください。
発売されるモデルは、既存の生産ラインをベースに製作される予定です。したがって、現在生産中の車両の外観と形が似ている。重要なのは、誰でも購入できるように価格競争力を持つという点なのです。
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コメント
米連邦当局は「テスラを業界のはみ出し者」と非難、米規制当局は「基本的な問題がある」と批判した
テスラの自動運転技術に新たな難題、米当局が「基本的な問題あり」との調査結果
https://wired.jp/article/tesla-autopilot-risky-deaths-crashes-nhtsa-investigation/
米連邦政府のNHTSAがテスラの「無人ロボタクシーの商用化」を6月までに認可するのかが今の大きな争点です。
私が報じてきたように、結局テスラは「自動運転の技術を改良する」ことを選ばずに、NHSTAに圧力を掛けることで、無人ロボタクシーの商用化を認めさせることを選択したようです。
米政権、自動運転車推進に向けた政策措置を公表-規制上の障壁除外へ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-04-25/SV8V5NT0G1KW00
自動運転技術が最も未熟なテスラにはそうする他はないことは理解できます。
しかし、テスラを業界のはみ出し者とまで非難したNHSTAが6月までにテスラの無人ロボタクシーの商用化を認可するようなことがあるのであれば、世も末です。
今回のテスラの決算発表で一番重要な点が抜けています。
先の決算で、イーロン・マスク氏は6月中にカルフォルニア州で無人ロボタクシーを商用化すると発言していましたが、今回はカルフォルニア州に関しては言及がありませんでした。
つまり、カルフォルニア州では自動運転の規制が厳しいので事実上、断念したということです。
規制の緩いテキサス州オースティンならば可能性があるかもしれないというマスク氏の甘い観測が透けて見えます。
「無人で公道を試運転する」ことが認可された競合他社は3年間で数百万キロも有人で公道を試運転しているのです。一方、テスラがテキサス州を有人で公道を試運転したのは、50分の1足らずです。
万が一にも、テキサス州DMVがテスラを認可するようなことがあっても「業界のはみだしもの」と非難したNHSTAの賢明な判断に期待します。
テスラが「無人で公道を試運転する」資格が認可されるようなことがあれば、交通事故を頻発するのは、日の目を見るよりも明らかだからです。