データによると、米国人のバッテリー式自動車(BEV)への関心は一向に衰えていないようです。
- 2025年2月の米国における電気自動車販売台数は前年同月比10.5%増加しこれまでの記録を更新しましたが、テスラのシェアは低下し、他メーカーが台頭しています。
- テスラの販売台数は前月比10%減少し、イーロン・マスク氏の政治的行動が影響を与えている可能性があります。
- テスラは新製品や技術革新で巻き返しを図る予定で、モビリティ電動化の進展は今後も続くと予測されています。
2025年2月のEV台数記録更新
米国連邦政府によるクリーン車両クレジット制度の廃止の可能性や、自動車輸入関税の脅威が迫っていることに対する政治的な大騒動にもかかわらず、米国人の電気自動車への関心は衰えていません。少なくとも現時点では、まだそうであるようです。米国では2025年2月の電気自動車販売台数が新しい記録を樹立しましたが、前月比では販売台数が5.9%減少し、バッテリー式自動車の市場シェアは7.7%とわずかに減少しました。
コックス・オートモーティブによると、米国における2月の電気自動車販売台数は前年同月比で10.5%増加し、95,692台となりました。BMWとリヴィアンは、販売台数で4,000台を超え、増加率で最も大きな伸びを見せました。BMWのEV販売台数は21%増加し、リヴィアンは前月比で34%の伸びを示しました。2月のEV販売台数トップ5は、テスラモデルY、テスラモデル3、フォードマスタングマッハE、ホンダプロローグ、リヴィアンR1Sでした。

Credit:HONDA
テスラの販売台数が10%減少
テスラは依然としてトップの座を維持していますが、その優位性は低下しています。テスラの販売台数は前月比で10%減少し、モデルYは3.1%減、モデル3は17.5%減、サイバートラックは32.5%減となりました。モデルYはEV市場全体の減少率よりも減少幅が小さいですが、他の車種ははるかに悪い結果となっています。
これは、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、新たに設立した「政府効率化省」(DOGE)のもとで米国の主要機関を解体し、何千人もの米国の労働者を解雇するという暴挙に出ていることが原因と考えられます。。
更にDOGEのリーダーが極右政治と歩調を合わせていることは、テスラの販売台数が世界的に急落していることにも波及効果をもたらしています。マスク氏に対する抗議活動は世界中で勃発しており、カナダではテスラを主要な奨励プログラムから締め出す措置まで開始されています。
そして今、米国もテスラ販売台数が落ち込む市場となる可能性がある兆しが見え始めています。
テスラは電気自動車の巨大企業であり、その衰退は電気自動車市場全体にとって問題となる可能性があります。特に米国では、電気自動車販売台数の39.9%を占めているため、コックス・オートモーティブによると、この問題は深刻です。しかし一方で、他の自動車メーカーのEVがテスラの落ち込みを吸収しているようです。

先週が報じられたように、フォードのEVは2月には前年同月比で15%増加しました。 アメリカ・ホンダは先月、プロローグを約3,000台、アキュラZDXを1,500台販売しました。 ヒョンデと起亜の好調は続き、IONIQ 5、IONIQ 6、EV9は前年同月比で増加しました。また、フォルクスワーゲンのID.4は、1月に米国で3番目に売れたEVとなりました。
テスラの未来戦略
一方で、テスラをまだ見限るわけにはいきません。テスラは今後、新製品の発売と技術のアップグレードで忙しい1年を過ごすことになります。米国では、モデルYのリフレッシュ版の納車が開始され、モデルSとモデルXのアップグレードが今年後半に予定されていると伝えられています。また、ロボタクシーのサービス開始は6月を予定しています。テスラはまた、今後数か月のうちに、サイバートラックに新しいドライカソードバッテリーを搭載する予定ともいわれています。
誰も、この一生に一度のモビリティの転換が容易であるとは考えていませんでした。 障害や紆余曲折は多いですが、1つだけはっきりしていることがあります。
それはモビリティの電動化は、今後も確実に拡大していくということです。
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