ホンダ・プロローグの成功は、アメリカ人が信頼する日本ブランドのEVを待ち望んでいることを証明しています。
プロローグの登場とアメリカ市場での成功
ホンダは電気自動車に関しては出遅れていたと言わざるを得ません。シボレーは2016年にBolt EVを発売し、フォードは2020年にマスタング・マッハEを発表し、テスラはそれよりもずっと前から電気自動車を販売しています。ホンダ・フィットEVのような規制対応車の実験車は別として、バッテリー駆動のホンダ車を欲しがるアメリカ人は、昨年プロローグが登場するまで待たなければなりませんでした。
そして、結果として、まさにそれを待ち望んでいたアメリカ人がたくさんいたのです。ホンダは昨年、プロローグを3万3000台以上販売し、電気自動車モデルのベストセラーランキングでは7位、圧倒的な強さを示すテスラを除くメーカーの内では4位にランクインしました。この業界をよく見ている人々にとっては、これは衝撃的な結果でした。結局のところ、プロローグは、その実態としては提携関係にあるゼネラルモーターズの電気自動車の中身を搭載しているに過ぎず、ホンダの本気の電気自動車とは言えないからです。そして、実際にプロローグが販売開始されたのは2024年半ばになってからだったにも関わらずです。
ブランド力と信頼が導いた成功の理由
ホンダは現在、この状況からいくつかの教訓を得ていると、今週のメディア向けブリーフィングで、ある幹部が私達にに語りました。プロローグの購入者は、購入の理由として「ホンダブランドへの信頼」を挙げていると、アメリカ・ホンダの自動車販売担当副社長ランス・ウォルファー氏は述べました。
また、ホンダの購買者はすでにホンダブランドをグリーンな車と関連付けていることも、購入の理由のひとつであると、ウォルファー氏は述べています。 トヨタのプリウスは事実上ハイブリッド車のiPhoneとなっていますが、1999年にアメリカ初のハイブリッド車となったインサイトを発売したのはホンダでした。
「私たちは、その方向に進む可能性のある消費者層を開拓するために、かなり前からハイブリッド戦略を展開してきました。私たちは、顧客に選択肢があることを確実にしたいと考えました。私たちは、彼らがわたしたちのブランドの外に出て行かないようにしたいのです。」

したがって、プロローグの爆発的な成功はまったく驚くべきことではありません。これは、すでに私たちが知っていたことをさらに証明しています。アメリカ人は、信頼性が高く、信頼できる日本ブランドの電気自動車を切望しているのです。
ウォルファー氏は、昨年プロローグがこれほど急速に普及したことについて、特にホンダのディーラーがEVの販売を求めていたことを考えると、驚きはしないと語りました。(アメリカの自動車ディーラーは、EVの急速な普及に反対する最も大きな声のひとつでしたが、どうやらかなりの数のディーラーがこの内燃機関からEVへの移行を支持しているようです。)
「私たちに自信を与えたのは、ディーラーが『EV車両が欲しい』という消費者の声を耳にしていると知らせてくれたことです。これは、まさに消費者のニーズを満たし、ディーラーからEVプロダクトを求める要望に応えるものでした。」

プロローグはまた、ホンダのディーラーが将来のEVを販売し、サービスできるようトレーニングも行っていると、ウォルファー氏は述べました。彼らは、初めて電気自動車を購入する顧客への販売や、これまで必要のなかった説明、例えば家庭での充電オプションなどについて、練習を重ねているとのことです。 幸運にも、ホンダの未来的な0シリーズEVが市場に投入される頃には、ディーラーにとって初めての経験ではなくなっているでしょう。
本当に、これらはすべて、電気自動車への移行におけるブランディングのパワーを示しています。EVへのシフトにより、テスラやヒョンデ/起亜といった積極的な早期参入企業は、ライバルブランドから顧客を奪うチャンスを得ました。多くの自動車メーカーは、自社のEVが「コンクエスト」に成功していると述べています。これは業界用語で、他社ブランドから乗り換えた顧客を意味します。これは理にかなっています。なぜなら、電気自動車の選択肢はまだ限られているため、ガソリン車からの乗り換えを検討している人々は、新型車に目を向ける可能性が高いからです。
しかし、多くの自動車購入者は、特定のブランドに対して深い愛着と強い思い入れを持っています。彼らはどこでもいいからEVが欲しいわけではありません。ホンダが欲しいのです。あるいはトヨタが欲しいのです。EVに乗り換えることは大きなライフスタイルの変化であり、多くの購入者が自分が知っているものを選びたいと思うのは当然です。

調査結果はこれを裏付けています。2023年のヤフーファイナンスとイプソスによる世論調査では、アメリカ人がEVまたはプラグインハイブリッド(PHEV)を購入する際に最も可能性が高いと思う自動車ブランドを尋ねました。当時、ホンダは米国市場にPHEVやEVを一切投入していなかったにもかかわらず、3位に入りました。そしてトヨタは、スペックがやや見劣りするEV、bZ4Xを1台だけ投入していたにもかかわらず、1位を獲得しました。この国でEVの販売台数が圧倒的に多いテスラは2位に終わりました。
2024年には、米国でのEV販売台数の伸びは鈍化しました。その大きな要因は、EVに関心のある購入者が、自分たちのニーズに合った選択肢が市場に十分ないと感じていることにあるかもしれません。EVの普及の次の波は、現実的な懸念を持つ一般の自動車購入者に委ねられています。つまり、おそらくテスラよりもトヨタやホンダに傾倒しているであろう米国の人々です。
幸いにも、両社とも体制を整えつつあります。ハイブリッド車に固執し、EVにはあまり力を入れてこなかったトヨタは、bZ4Xに対する人々の不満から学んだと述べています。3列シートのトヨタEVは2026年に登場します。

ホンダの次世代EV、アキュラRSXは、今年後半にオハイオ州で生産が開始され、ホンダの次世代ハードウェアとソフトウェアがデビューします。その後、ホンダの0シリーズセダンとSUV、そしてソニー・ホンダ・アフィーラ1が続きます。
ウォルファー氏は、今後1年間に「多少コントロールできないことが起こり、影響が出る可能性がある」としながらも、プロローグは順調に走り続け、このセグメントのリーダーであり続けるだろうと予想しています。ホンダは他の自動車メーカーと同様に、トランプ次期政権がEV需要を減退させる可能性のある7,500ドルの連邦EV税額控除を廃止するかどうかを注視していると言っています。
「手頃な価格であることは重要な要素であり、その影響については、それが明らかになった時点で対処しなければなりません」
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