長い待ち時間を経て、テスラはついに日本でもリフレッシュしたモデルY(日本では全然売れてませんが、世界で最も売れているクルマ)を発売しました。この車は日本以外にも中国や韓国などアジア太平洋市場全体で予約注文を受け付けています。今回の新型モデルYについて詳しく見ていきましょう。
現在、テスラの注文ページでは、最初の車両であるローンチシリーズが2025年4月に顧客への納車を開始する予定となっており、あと約3か月半です。現時点では、リアホイールドライブ(RWD)とロングレンジAWDモデルの2つのバリエーションのみです。
ローンチシリーズ
ローンチ(LAUNCH)シリーズと称されているモデルYは、ファウンデーション・シリーズ・サイバートラックと同様に限定発売のようで、以下のような追加オプションが含まれています。
リアのリフトゲートとドアシルプレートには、ローンチシリーズ限定のバッジが付きます。さらに、ローンチシリーズのバッジは、パドルライトにも表示されます。充電コンソールにも「LAUNCH」の文字が刻印され、インテリアには高級感のあるブラックのヴィーガンスウェード仕上げが施されています。
ローンチシリーズのロングレンジAWDには、テスラが「アプリ内」購入以外のオプションとして初めて搭載した機能である「アクセラレーション・ブースト」(有料で加速性能を向上するオプション)も装備されています。
何が新しくなったか
2025年モデルYには、新しくシャープな外観、改良されたインテリア、さらに優れたスペックなど、多くの新しい要素が盛り込まれています。 また、これまであまり知られていなかったいくつかの驚きの要素もありますので、それらを簡単にご紹介します。
エクステリア
テスラは、車両のフロントとリアを完全に再設計し、象徴的な新しいライトバーを搭載しました。これにより、車両の空力特性、効率性、航続距離が向上する、としています。この一部として、モデルYのリフレッシュのためにボディのアルミダイキャストを再設計し、部品点数を70からわずか1に削減しました。これにより隙間が減り、これまで以上に静かな走行を実現するよう設計されています。つまり、剛性を高めることがより快適な走行を実現する鍵となるという事です。
フロントバンパーカメラもレンダリングイメージには見えるようになりました。サイバートラック以外のテスラ車では初めてのことです。願わくば、FSDとアクチュアリー・スマート・サモンも早期に実現されることを期待したいところです。
ただし、よく見てみると中国版のグレイシャーブルーのモデルYのレンダリング画像には、このフロントバンパーカメラがはっきり写っていますが、日本(およびその他の地域)のクイックシルバー版のモデルYにはこのフロントバンパーカメラがレンダリング画像にはないように見えますので、もしかすると…。
普通に考えると同じギガ上海工場で製造しているので、とも思いますが、モデルYに関しては旧型も中国版とグローバル版で色々仕様が違っていたので、日本版にフロントバンパーカメラが付いていないということもあり得ると思います。
間接リアライトバー
リアライトバーは、詳しい構造はまだ良くわかりませんが、車体側に照明が向けられた間接照明のようです。テスラによると、これは最初の「反射式間接ボディパネルテールライト」とのことであり、見た目もクールです。そしてテスラは、エクステリアのいくつかのカーブを再設計しました。オリジナルのモデルYよりもはるかに空力特性に優れ、シャープな外観となっています。これらの変更により、航続距離とパフォーマンスが向上するとしています。
テスラは、2025年モデルYリフレッシュ専用色として、グレイシャーブルーという新色も導入しました。 更にオプション料金のかからない標準カラーはステルスグレーに変わり、パールホワイトマルチコート、グレイシャーブルー、クイックシルバー、ウルトラレッドはそれぞれオプション色として選択できます。
テスラロゴ
フロントやリアからテスラロゴがなくなりました。ただ、フロントのロゴに関しては、中国版の新型モデルYには残っているようなので、地域におけるカスタマイズなのかもしれません。
さらに、中国では19インチのホイールも選べますが、日本では今のところ20インチのみであったり、今回発売された国によって展開されている色幅が違っていたりするようです。
インテリア
まず最初に、モデル3ハイランドと同じ仕様となるベンチレーションシートとアンビエントライトが装備されています。また、インテリア全体に新しいソフトタッチ仕上げが施されているとのことです。テスラは、新型モデルYのインテリアで的を射たデザインを実現したようで、それは、クリーンでシャープなデザインで、振動と騒音を抑えて乗り心地を向上させた「宇宙船」と表現されています。
方向指示レバー復活
興味深いことに、テスラは今回の新しいモデルYでなんと方向指示レバーを復活させました。シフトレバーの右側レバーは装備されていませんので、シフトは画面上で操作するようです。また当たり前ですがその結果、ハンドルには方向指示器のボタンは装備されていません。
おそらく、これは方向指示器のレバーが無いことが購入の大きな障害となっているためであり、モデルYは大衆向けの車となることを意図しているためでしょう。特にハンドルを切った状態で方向指示器を正しく押すのは非常に難しく、場合によっては安全性にも影響するからです。ただ、このレバーがアジア太平洋地域のみの仕様であるのか、また方向指示器のボタンが欧州や北米にも搭載されるのかどうかは、今のところ不明です。
改良されたインテリアには、従来モデルと同じ15.4インチのタッチスクリーンが搭載されていますが、改良されたモデル3と同様に、全バージョンに後部座席に8インチのタッチスクリーンも搭載されています。
テスラは、車へのコネクティビティを改善し、電話キーの使用可能範囲を拡大し、よりクリアな通話と高速なセルラーおよびWi-Fi接続を実現したとのことです。これは、インフォテインメントモジュールのチップセットの改善によるもので、Bluetoothの最新バージョンと5Gへの対応も含まれています。詳細が判明次第、これらの詳細について掘り下げていきます。
改良されたスピーカーは巧妙にインテリアデザイン内に隠されており、特にロングレンジAWDバージョンでは、テスラの素晴らしいオーディオに多くの改善が期待されます。このあたりのディテールは実物を見ないと詳細はわかりません。
また、面白い機能のひとつは後席のパワーリクライニングシートです。車両後部のボタン、あるいは車両メニューで、リアシートをリクライニングしたり、自動で起こしたりすることができます。これは、家族連れや荷物を移動させる人にとって、非常に便利な機能となると考えられます。
ハンドリング
モデル3のリフレッシュ版と同様に、テスラはサスペンションを改良し、車両のハンドリングと快適性を向上させ、より応答性の高いステアリングとさらに静かな乗り心地を実現したとしています。これには、アップデートされたタイヤ、ホイール、新しいサスペンションが含まれます。
また、日本ではLAUNCHシリーズとして、20インチ ヘリックス2.0ホイールが標準とされていますが、他の国では19インチ クロスフローホイールがより安価で選択可能となっています。
アダプティブサスペンションについてはまだ発表されていませんが、これは2025年後半に登場するパフォーマンスモデルまでおあずけになる可能性が高いでしょう。
スペック
スペック的には、ここには多くの注目すべき点があります。モデルYジュニパーAWDは、その前身よりも高速で、航続距離もかなり長くなっています。テスラの仕様書によると、充電速度もわずかに高速化しており、LFPバッテリーを搭載した現行のRWDよりも高速です。これは全体的な大幅な改善です。
車種 | 航続距離 | 0-100km/h | 価格 |
モデルY AWD | 635km | 4.3秒 | 6,839,000 |
モデルY RWD | 547km | 5.9秒 | 5,950,000 |
納車時期
テスラは、モデルYリフレッシュをわずか数か月で出荷するとしています。ローンチシリーズの顧客への納車は4月に開始される予定です。テスラはあまり長い間人々を待たせることはないでしょう。何と言っても、世界で最も売れている車の待望のリフレッシュなのですから。
また、追加の詳細がわかるようであれば、この記事を更新するか新しい記事を追加していきます。
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