ジーカー7Xは、運転席のドアに機械式の窓割り装置が組み込まれているのがスタンダード仕様です。
車両水没死亡事故は米国で年間400件
車両が水没するというのは恐ろしいことです。私と同じような方であれば、湖や川に誤って運転して入ってしまうという考えは、骨の髄まで凍りつくような事実として頭の片隅にずっと残っているでしょう。リスクはあなたが考えるほど低くはありません。あるデータによると、車両の水没による死亡事故は米国で年間400件にも上る可能性があることが示されています。
もし自分が車の助手席に座っていて、車内にどんどん水が入り込んでいく状況に陥ったら、一体自分は何ができるでしょうか? ストレスの多い状況下では、沈みゆく車の窓ガラスを割るだけの強さも、そのための手段も自分にはないだろうと思います。 また、ほとんどのドライバーと同様、そのような作業を行うための窓ガラス破り用の道具も持ち合わせていません。
都市部の洪水や浸水の危険に対処する機能搭載
しかし、中国のEVメーカーであるジーカーはそれを考えたようです。同社の最新SUV、7Xには、「都市部の洪水や浸水の危険に対処する」機能が搭載されており、ジーカー7Xには、洪水時にドライバーが窓ガラスを割ることができるレバーが付いています。ジーカーは、これは業界初の機能だとしています。
この機能の仕組みについて理解を深めるため、ジーカーの広報担当者に問い合わせました。担当者はより詳しい説明をしてくれ、車のガラスを割る方法を正確に示した2本の動画を送ってくれました。
使いやすい脱出機能
運転席側のドアには、運転席の窓スイッチの真下に取り外し可能なパネルがあります。そのパネルにはレバーがあり、レバーを引くと、ドアパネル自体に搭載されたウィンドウレギュレーターとモーターに接続された窓ガラスを叩く、窓ガラス破砕用の専用ハンマーが引き出されます。ジーカーのポール・チェン氏は、この機能は利用しやすいように設計されていると述べています。作動させるにはわずか50ニュートン(約5kgf)の力しか必要ありません。しかし、ハンマー自体は3,000ニュートン(約300kgf)の力を発揮して窓を粉砕することができます。チェン氏によると、これは一般的な安全ハンマーの約33倍の衝撃強度に相当し、成人男性5人が同時に窓を叩くのと同等の力だということです。
また、窓破りは機械式であるため、車が水没して止まってしまった場合でも作動し続けます。
これは単なる理論上の話ではありません。この機能を試すため、ジーカーは中国の最大級のボランティア捜索救助活動組織である「中国藍天救援」のメンバーとともに、7Xを湖に向けて走らせました。車は1分以内にほぼ完全に水没しました。しかし、車がほぼ水没し、電子機器が機能しなくなった状態でも、窓ガラス破砕機能は作動し、救助隊員は泳いで脱出することができました。
「都市洪水への対策」
ジーカーは、7Xの全車にこの機能を標準装備するとしています。
ジーカー7Xは、オンボL60やテスラモデルYのような電動SUVをメインターゲットにした、中型の高級クロスオーバーです。価格は、シングルモーターの7Xで約3万2000ドルからで、バッテリーとモーターの装備のほとんどは、非常に優れたジーカー007セダンと共有しています。すでにレビューが公開されており、概ね好評です。
私はジーカーに再度問い合わせ、この救命機能が他のラインナップや吉利(ジーリー:ジーカーの親会社)関連の他のブランドにも導入される予定があるかどうかを尋ねました。スタンダードな窓割り機能は、ボルボやポールスターに最適だと思います。この2つのブランドは、車の安全性を強く推進しており、ドライバーの命を守ることを目標としています。これは当然の機能であると感じます。
また、ジーカーのプレスリリースでは、この機能が「都市洪水への対策」として実装されたと直接述べている点も興味深いことです。気候変動は現実であり、2021年にはNASAが、洪水の起こりやすい地域に住む人々の数が2000年以降20~24%増加したことを発見しました。確かに、その一部は海岸線の浸食や海面上昇によるものですが、その多くは、それまで洪水の起こりやすかった地域ではなかった場所で洪水を引き起こす、より極端な気象現象と関係があります。
ジーカーの取り組みはシンプルかつ効果的です。もし、これを米国で実施、あるいは義務化したらどうなるでしょうか? 車両の水没は冗談ではありません。 防止できたはずの方法で、あまりにも多くの命が失われています。
この記事はこの投稿を引用・翻訳・編集して作成しています。
テスラ関連の最新記事を毎日随時アップしていますので、過去のニュースはこちらを参照ください。
▼▼テスラ 紹介コード は以下から▼▼
人気記事
新着記事
※免責事項:この記事は主にテクノロジーの動向を紹介するものであり、投資勧誘や法律の助言などではありません。また、記事の正確性を保証するものでもありません。掲載情報によって起きたいかなる直接的及び間接的損害に対しても、筆者・編集者・運営者は一切責任を負いません。また、運営者はテスラ株式のホルダーです。
コメント