世界で大苦戦、でも日本では好調?テスラの日本での意外な販売状況とは

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Credit:Tesla
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テスラが、自動車を製造しているのは、米国ではカリフォルニア州フリーモント工場、テキサス州オースティンのギガファクトリーテキサス、そして中国のギガファクトリー上海、欧州のギガファクトリーベルリン、という4箇所です。

一方で、テスラは各国ごとのモデル別販売台数の実績を公表していません。今年の4月2日に公表したのもいつもの通り、モデル3/Yとその他の車種を合わせた世界全体の製造台数及び納車台数です。この結果は、納車台数は336,681台、生産台数は362,615台でアナリストコンセンサスを大幅に下回っただけでなく、第1四半期の実績としては2022年の水準まで落ち込んでしまいました。

では一体、日本国内では直近でどの程度売れているのでしょうか?

日本国内に海外から輸入される自動車については、業界団体日本自動車輸入組合(JAIA:Japan Automobile Importers Association)が月次速報としてまとめて統計情報を公表しています。今回は、この統計情報から、日本国内で一体テスラが何台売れているのか?を推計しています。あくまで、「推計」なのはこのJAIAの統計情報はメーカー別の販売台数が月次速報の形で公表されているのですが、「テスラ」として公表されているのではなく「Others」で公表されているメーカーが周辺状況を鑑みるとテスラである可能性が非常に高いことに依拠しているからです。ですので、細かい部分で差異がある可能性があるという統計情報となっているということをあらかじめご承知おきください。

世界で落ち込む販売

日本国内の街なかの道路を走っている車を見て分かるように、テスラ車は2024年まで全くと言っても良い程売れていませんでした。これには、色々原因があると思いますが、トヨタをはじめとしたハイブリッド車が市場を席巻していること、充電インフラが十分整っていないこと、価格が高いこと、テスラがマス広告を実施してない(≒知られていない)こと、などいろいろ挙げられると思います。

一方で、イーロン・マスクCEOの最近の「極右化と奇行」の影響を受ける前までは、世界で最も電気自動車を売っているメーカーに君臨し、2024年末迄はその地位は揺るぎないもので、電気自動車への移行の世界的リーダーこそがテスラという状態でした。この状況が、CEOの「極右化と奇行」(及びモデルYの新型への移行)により、直近の2025年第1四半期は世界の納車台数が大幅に落ち込む状況になっていました。

前年同期比157%

下のグラフは、JAIAのデータからテスラであろうと思われる「Others」の台数を月次で抽出したデータを四半期ごとにまとめたものです。

2020年から2021年にかけて年間の販売台数が大きく伸びているのは、このタイミングでギガ上海工場が稼働し、日本へのテスラ車の輸出が始まったこと、同時に大幅に値下げがされたことが影響しています。一方で、それ以降の4年間は年間販売台数は横ばいという状況が続いていました。

一番下の青いグラフが第1四半期なのですが、明らかにこの2025年1Qが過去のデータと比較して大きく伸びていることが分かります。世界のテスラ車販売が大きく落ち込む中で、日本市場だけ逆行高のような状況となっており、前年四半期と比較して157%という状況です。

キャンペーンの影響

実は、これには明確な理由があります。

というのも、テスラ日本が初めて実施したスーパーチャージャー5年間無料キャンペーンが効いていると考えられます。テスラ日本は、新型モデルYの発表の前、2025年元旦から、従来型のモデルY在庫車とモデル3の新車・在庫車を年内に注文して3月末までに納車した場合、5年間スーパーチャージャー無料という驚きのキャンペーンを開始しました。

このキャンペーンの数日後、新型モデルYジュニパーの注文受付を開始したのですが、いわば燃料代無料ということなので、特にたくさんの距離を走り、スーパーチャージャーで日常的に充電できるような距離に住んでいる方であれば、コストメリットが非常に大きい特典になるので、これが奏功したということです。

テスラ日本は実際に、過去にも紹介プログラムや、3年間のメンテナンス&車検代無料のようなこともキャンペーンとして実施してきていますが、今回のキャンペーンがテスラ日本にとって初めてと言っても良い「当たり」の取り組みになりました。

この状況を見て、4月1日からはモデル3の新車・在庫車を6月中に納車する場合には「3年間」の無料スーパーチャージャーと選べる自宅充電器という新たなキャンペーンを展開しています。

3年間のスーパーチャージャー充電無料+選べるご自宅用充電器特典
2025年4月1日から6月30日までの間にModel 3の新車を購入すると、納車後3年間スーパーチャージャーによる充電が無料となります。併せて、自宅での充電をサポートするアイテム、①ウォールコネクター または ②モバイルコネクターのいずれかをプレゼントします。これらの特典を獲得するためには、2025年4月1日から2025年6月30日までの期間に、対象車両であるModel 3の新車を新規にご注文いただく必要があります。2025年3月31日以前に入れた未納車の注文をお持ちの方が2025年4月1日以降に新たな注文を入れたとしても、本キャンペーンの対象とはなりません。また、納車期限に関しては、自動車発注契約書の取引条件が適用されます。 本特典はお客様のテスラアカウントと連動しているため、第三者や、その他の車両に譲渡することはできません。また、中古車および業務目的(タクシー、ライドシェア、デリバリーサービスなど)に使用される車両は本キャンペーンの対象外となります。充電完了後の車両放置時や混雑時などに発生するアイドル料金(充電時間超過料金)は本特典に含まれません。3年間のスーパーチャージャー充電無料特典は、テスラが所有するスーパーチャージャーでのみご利用いただけます。また、ご自宅用充電器の配送については、車両が納車された後1か月以内にご自宅へ配送いたします。ご自宅用充電器の設置工事費や自宅充電にかかる電気料金はお客様負担となります。本プログラムは予告なく変更または終了する場合があります。

特に、モデル3は新型「ハイランド」になってHW4(ハードウェア4)という自動運転に必要十分なハードウエアが備わっている車なので、もしまだ迷っている方がいればこの燃料代を節約できるチャンスを逃さずにご購入ください。

世界の自動車マーケットは、電気自動車への移行というより、無人での自動運転に移りつつありますので、この機会をぜひご利用ください。

日本で無人の自動運転が解禁される頃には次のテスラ車が出ているかもしれませんが…。

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