BYDが2025年に初めてテスラを追い抜き、世界のBEV(バッテリー電気自動車)のリーダーになるということが予測されています。
- 市場調査会社カウンターポイントは、BYDが2025年にテスラを追い抜き、世界のBEV市場でリーダーになると予測しました。
- BYDは技術革新や政府支援を背景に急成長しており、特に超高速充電技術が業界の新基準を打ち立てています。
- 一方、テスラはCEOの政治的立場や地政学的リスクなどの課題に直面し、販売台数の減少が続いています。
BYDが2025年にテスラを超えると予測される理由
市場調査会社カウンターポイント・リサーチ社は昨年7月、BYD(HKG: 1211、OTCMKTS: BYDDY)が2024年に初めてテスラ(NASDAQ: TSLA)を追い抜き、世界的なバッテリー式電気自動車(BEV)のリーダーになるだろうと予測しました。
しかし、実際には、BYDはテスラを追い抜く寸前まで迫ったものの、昨年もテスラが世界のBEV市場で1位を維持しました。そして今、カウンターポイント社は、BYDが2025年に初めてテスラを追い抜いて世界的なBEVのリーダーになるという新しい予測を発表しました。
規模、革新性、政府の強力な支援により、BYDは2025年に世界で最も多くのBEV販売台数を記録し、15.7%の市場シェアを獲得するだろうと、市場調査会社は昨日のレポートで述べています。
BYDの技術革新と政府支援がもたらす優位性
BYDが技術的リーダーシップと垂直統合型の生産モデルにより積極的な拡大を達成できたことは、強力な中国国内政策によって支えられていると、カウンターポイントは指摘しています。この市場調査会社は、BYDの1,000kWの超高速充電技術と10C急速充電バッテリーを強調し、これはテスラのスーパーチャージャーを上回る性能で、新しい業界基準を打ち立てたと述べています。
テスラが直面する課題とBEV市場の未来

一方、テスラは多くの課題に直面しています。
同社のCEOであるイーロン・マスク氏の政治的立場により、テスラの企業イメージは打撃を受け、米国や欧州の主要市場で消費者の強い反発を招いている、と以下のようにレポートは伝えています。
「当社の2025年初頭のデータでは、すでにこれらの地域での販売台数の減少傾向が示されています」
米中貿易摩擦の激化や中国製EV部品への追加関税など、地政学的な緊張関係はテスラのサプライチェーンをさらに混乱させています。これらの要因と、製品発売の遅れや競争の激化が相まって、2025年にかけてテスラの業績に大きく悪影響を及ぼすことが予想されます。カウンターポイントのアソシエイトディレクターであるリズ・リー氏は以下のように指摘しています。
「テスラのCEOであるイーロン・マスク氏は、テスラにとってある意味オウンゴールを決めました。2025年第1四半期に同社の販売台数がどれほど打撃を受けたか、間もなく明らかになるでしょう。この状況はBYDにとって大きなチャンスであり、急速充電の約束を実現できれば、BYDと中国製BEVの世界的な物語にとって転換点となる可能性があると考えられます。」
テスラは昨日、2025年第1四半期に世界で336,681台を販売したというデータを発表しました。これはウォール街のアナリストの予想390,343台を大幅に下回り、2022年第2四半期以来の最低水準という惨状です。そしてこの結果は、前年同期の386,810台から12.96%減、第4四半期の495,570台からはなんと32.06%減という非常に厳しい状況です。
テスラはBEVのみを製造していますが、BYDはBEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)の両方を製造しています。BYDは第1四半期に416,388台のBEVを販売し、前年同期比では38.74%増となったものの、前期比では30.07%減となりました。
BYDの乗用車用BEV販売台数がテスラを上回ったのは、これで2四半期連続となります。2024年全体では、テスラは依然として僅差でBYDを上回り、BEV販売台数で首位を維持しました。テスラは2024年に世界で178万9226台の車両を販売し、2023年の180万8581台から1.07%減少しました。これは10年以上ぶりの減少です。
2024年全体では、BYDは世界で176万4992台の乗用車型BEVを販売し、テスラの販売台数にわずか1.35%及ばなかったという結果でした。
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