テスラの完全自動運転次期バージョンFSD v13ではどんな機能が追加されるのか

AIロードマップのアップデートの一環として、テスラはFSD v13に追加される機能も発表しました。テスラは、期待できることについて多くの詳細を提供しており、この権威関して多くの情報を整理する必要があります。

テスラのAI担当副社長であるアショク・エルスワミ氏も、FSD v13でFSD監視なし機能が完成する見込みであることを明らかにしました。各機能は依然として人間よりも高い安全レベルで動作する必要があるため、自動運転が完成するという意味ではありませんが、自動運転車のすべての主要機能がFSD v13に搭載されるということです。

では、テスラとテスラの従業員が最近提供したv13の機能リストを検証し、次に何が来るのかを正確に見てみましょう。

高解像度ビデオとAI4ネイティブ

FSD v12は、テスラのHW3（ハードウェア3）カメラを使用してトレーニングされ、AI4（もしくはHW4）カメラの映像についてはダウンサンプリングして利用しています。今回初めて、テスラはAI4のネイティブカメラ解像度を使用して、可能な限り鮮明な画像を取得しています。もちろんテスラは解像度を上げるだけでなく、キャプチャレートも36 FPS（1秒あたりのフレーム数）に引き上げます。これにより、極めてスムーズな動きを実現し、車両が物体をより早く、より正確に検出できるようになります。これはFSDにとって大きな利点となりますが、その一方で、この追加情報をすべて処理するためのコストも発生します。

HW3カメラの解像度は約120万画素ですが、AI4カメラの解像度は544万画素です。これは生の解像度で4.5倍の情報量であり、推論コンピューターとAIモデルが処理しなければならない新しいデータが大量に増えることになります。

テスラAIのシニアスタッフエンジニアであるユンティ・サイ氏は、総データ帯域幅は1.3ギガピクセル/秒で、36ヘルツで動作し、キャプチャと推論の間のレイテンシはほぼ0であると述べています。これは、v13を軌道に乗せるための基本機能の1つであり、この機能更新により、車両性能、標識読み取り、および多くの小さなアップグレードの改善が期待できます。

より大きなモデル、より大きなコンテクスト、より良いデータ

次に大きな項目は、テスラがFSDモデルのサイズを3倍に、全体的なコンテクストの長さを同じだけ増やすことです。簡単に言えば、FSDが利用できる情報量が大幅に増えるということです。つまり、瞬間的な情報（コンテクストの長さ）と背景知識やトレーニング（モデルのサイズ）の両方においてです。

平たく言えば、テスラはFSDの脳を大きくし、記憶できる情報量を増やしたのです。つまり、FSDは意思決定を行う際に、現在起こっていることと過去に学んだことの両方から、より多くのデータを利用できるようになるということです。

Video of the inside of Cortex today, the giant new AI training supercluster being built at Tesla HQ in Austin to solve real-world AI pic.twitter.com/DwJVUWUrb5
— Elon Musk (@elonmusk) August 26, 2024

さらに、テスラはデータスケーリングとトレーニングコンピューティング能力も大幅に拡張しました。テスラはトレーニングデータの量を4.2倍に増やし、トレーニングの通信パワーを5倍に増強しています。

オーディオ入力

テスラのFSDは、これまで視覚データ（カメラ映像）のみに依存してきました。これは、人間がアクセスできるものと同等のものです。LiDARはモデル検証以外ではテスラの記録には残っておらず、以前は使用されていたものの、段階的に廃止されたレーダーも同様です。

そして今、テスラAIは緊急車両のより良いハンドリングに焦点を当て、FSDのモデルに音声入力を取り入れる予定です。FSDは、緊急車両を視認する前から、音声入力データを使って緊急車両に反応できるようになるでしょう。これは大きなニュースであり、テスラがFSDにアプローチしてきた方法に沿ったものです。つまり、非常に「人間らしい」改善になります。

これらのアップデートがどのような成果をもたらすのか、私たちはワクワクしています。しかし、もうひとつありました。テスラのAI担当副社長であるアショク・エルスワミ氏は、X上で、FSDにクラクションを鳴らす機能を追加することも公表しています。

その他の改善

その他の改善は、重大なものですが、かなり簡単に要約できます。テスラはさまざまな方法でスムーズさと安全性の向上に重点的に取り組んでいます。v13 AIは、衝突回避、ナビゲーション、より優れた交通コントロールの予測と適応を学習します。これにより、ユーザーや他のドライバーにとって予測可能性が高まり、安全性が全般的に向上します。

さらに、テスラは、FSDが実際に何を行うかに対して、より良い地図とナビゲーションを表現することにも取り組んでいます。複雑な状況においては、ナビゲーションが一定の方向を指示していても、FSDが別の曲がり角や出口を選択することが稀にあります。この将来のアップデートにより、このギャップが解消され、ルートとFSDの経路プランナーがより正確に一致するようになるでしょう。

もちろん、テスラは「アンパーキング（駐車解除）」、「リバース（後退）」、「パーキング（駐車）」機能の追加や、目的地オプションのサポートにも取り組んでいます。これには、駐車スポット、私道、またはガレージへの駐車、あるいは建物入り口付近など特定の地点に車を停めることなどが含まれます。

最後に、カメラの自動クリーニング機能の改善と、カメラの遮蔽に対するより優れた処理の追加にも取り組んでいます。現在、FSDはフロントカメラが汚れや異物などで遮られた場合、完全に遮られた場合にのみクリーニングできます。部分的な遮蔽ではワイパーは作動しません。さらに、Bピラーカメラが太陽光で遮られた場合、FSDは車線を中央に維持するのが困難になる傾向があります。この特定のアップデートは、これらの問題の両方を解決することが期待されています。

FSD v13のリリース日

テスラは今週中にFSD v13を従業員にリリースすると発表しましたが、一般公開されるまでには、さまざまな確認作業が必要となります。テスラは、FSD v13のバージョンがv13.3前後で顧客にリリースされる予定であると述べていますが、驚きのことに、感謝祭の時期、つまりあと数週間のうちにリリースされる予定であるとしています。

テスラはFSDのリリースが遅れることで知られているため、11月下旬というスケジュールについては慎重に見る必要があります。しかし、今後の展開として注目すべきは、FSD v13が今後数か月の間に大幅な機能向上を実現する見込みであることです。

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