テスラのエネルギー貯蔵事業(定置用バッテリー、メガパックの製造販売事業)は絶好調で、まさに始まったばかりです。しかし、テスラのエネルギー貯蔵事業の成長の始まりは、テスラのソーラー事業の終焉でもあるようです。
好調なエネルギー貯蔵事業
テスラのエネルギー貯蔵の納品容量が第2四半期の9.4GWhから第3四半期の6.9GWhへと減少しているという事実で惑わされてはいけません

テスラの定置用バッテリー納品が順調でないように見えるのは、同社が巨大なバッテリープロジェクトに取り組んでいるためです。そのうちのいくつかが、テスラのコントロールが及ばない理由で遅延した場合、テスラはメガパックを納品したとしても、売上計上をできない可能性があります。
前年比の成長率を見る方が良いでしょう。前年度からの成長率は75%でした
また、これはテスラのエネルギー貯蔵事業拡大における成長の始まりに過ぎません。今週、テスラは米ラスロップのメガファクトリーが現在、年間40GWhの計画フル生産能力でメガパックを生産していることを明らかにしました。
メガパックだけでも、四半期あたり10GWhの展開に貢献できる可能性があります。また、テスラは最近、家庭用蓄電池パワーウォールが年間70万台の生産能力に達し、四半期あたり2GWh以上のエネルギー貯蔵展開に貢献できる可能性があると発表しました。
中国でメガパックの生産を計画する上海メガファクトリー
テスラは、2024年第3四半期の決算説明資料で以下のように説明しています・
「エネルギー事業は、メガパックの生産量が減少したにもかかわらず、第3四半期の粗利益率は30.5%と、前四半期比で596ベーシスポイントの増加となり、過去最高を記録しました。パワーウォールは、第2四半期に続き、第3四半期も過去最高の導入数を達成しました。パワーウォール3とラスロップ・メガファクトリーの立ち上げは順調に進んでおり、ラスロップでは1週間で200メガパック(年間生産量40ギガワット時)の生産能力が達成されました。第3四半期の時点で、10万台を超えるパワーウォールがバーチャル・パワープラント・プログラムに登録され、電力網がストレス状態にある期間に必要とされるサポートを提供しながら、オーナーに追加的な経済的価値をもたらしています。上海のメガファクトリーは、2025年第1四半期にメガパックの出荷を開始する予定で、計画通りに進んでいます。」
縮小する太陽光発電パネル事業
これがテスラの「エネルギー生成と貯蔵」セクションのすべてです。ご覧の通り、エネルギー生成(太陽光発電パネル)に関する記載は一切ありません。エネルギー貯蔵に関する記載のみです。

テスラの「エネルギー生成」事業はこれまで太陽光発電でしたが、現在は撤退しつつあります。
ここ数年、テスラがこの太陽光発電事業を段階的に縮小していることを私たちは報告してきました。現在では規模が非常に小さくなり、テスラは太陽光発電の展開について報告することさえしなくなりました。同社は現在もソーラーインバーターとソーラー屋根の展開を行っていますが、そのほとんどはサードパーティの設置業者を通じて行われており、同社にとって明らかに重要ではなくなっています。
テスラの2024年第3四半期の電話会議では、「ソーラー」という言葉は一度も言及されませんでした。
テスラの現在の目標は、分散型エネルギーシステムの「頭脳」を所有し、仮想発電所(VPP)製品を実現することです。
現時点では、テスラが来年、60GWhのエネルギー貯蔵事業を展開することは不可能ではないでしょう。それは本当に素晴らしいことです。関係者の皆さん、おめでとうございます。一方でエネルギー生成事業の分野では、テスラの太陽光発電について悲嘆に暮れる必要があると思います。このような結果になってしまい、非常に残念です。
ご存じない方のために説明すると、テスラは物議を醸したソーラーシティの買収を通じて太陽光発電事業を手に入れました。ソーラーシティは、マスク氏の従兄弟が創業し、マスク氏自身が資金提供していた企業です。
多くの人々はこれを救済策と見なし、テスラの株主はマスク氏を提訴しましたが、マスク氏は、テスラがソーラーシティを買収して以来、ソーラー発電の展開は減少しているものの、依然として事業にとって重要な一部であると主張して、自身を擁護しました。
そしてその訴訟に勝訴すると、テスラはすぐにソーラー事業に関する報告を停止し、その事業を段階的に縮小し始めました。
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