イーロン・マスク氏は、テスラが今後開発する人工知能(AI)チップの生産ロードマップに関する新しい詳細情報を公開し、2020年代後半まで続く複数年にわたるタイムラインの概要を明らかにしました。
イーロン・マスクが語るテスラAIチップの開発ロードマップ
このタイムラインは、マスク氏がテスラの次世代チップをAI8まで予告してからわずか数日後に発表されました。ただし、同社が現在開発しているのはAI4までです。
X への投稿の中で、マスク氏は、TSMC とサムスンが、それぞれのファウンドリの設計変換プロセスの違いを反映して、わずかに異なるバージョンの AI5 チップを製造することを認めました。こうした違いはあるものの、マスク氏は「目標は、両方のチップで当社の AI ソフトウェアがまったく同じように動作すること」と強調しています。
マスク氏によると、AI5は2026年にサンプル提供と限定生産を開始し、2027年に量産が開始される見込みです。後継チップであるAI6は同じ製造パートナーを活用し、前世代比で約2倍の性能を発揮すると予想されています。
AI6の量産は2028年半ばを目標としており、マスク氏が「世代間の迅速な追従」と表現するペースを維持します。
2026年以降のテスラAIチップ進化と完全自動運転への展望
これ以降の具体的なスケジュールは明らかにされませんでしたが、マスク氏はAI7が既に計画段階にあり、より野心的なアーキテクチャのため「異なるファブ」が必要になると述べました。また、以前「この世のものとは思えない」と表現されたAI8にも言及し、テスラ独自のシリコンにおける長期的な指数関数的性能向上のロードマップを示唆しました。
マスク氏の投稿に基づく、過去世代を含むタイムラインの簡単な概要は以下の通りです:
- AI3(HW3):2019年~2022年
- AI4:2023年~2026年
- AI5:2026年~2027年
- AI6:2028年半ば
- AI7:2029年以降
- AI8:2030年以降
これらの新しいチップは、テスラの完全自動運転に向けた広範なビジョンの中核をなします。現在、同社のAI4チップは最新バージョンの完全自動運転(監修型)システムを支えています。AI5およびAI6の登場までにはまだ数年を要するため、2026年第2四半期に導入が予定されているテスラの専用ロボタクシー「サイバーキャブ」(ハンドルやペダルを装備しない)は、当初はAI4ハードウェアに依存し、その後数年かけて次世代プロセッサへ移行することになります。
マスク氏の新ロードマップがアピールしている通り、テスラのAIチップ開発は初期段階からの課題が継続しているにもかかわらず、はるか未来まで続く道程です。かつてFSDの基盤と謳われた初期のAI3(HW3)プラットフォームは、テスラが求める実走行性能の実現に苦戦しました。同社はこれらの車に新型コンピューターを後付けすると約束していましたが、後にFSDの問題が解決されるまで後付けは行われないと表明しています。
人気記事
新着記事
※免責事項:この記事は主にテクノロジーの動向を紹介するものであり、投資勧誘や法律の助言などではありません。また、記事の正確性を保証するものでもありません。掲載情報によって起きたいかなる直接的及び間接的損害に対しても、筆者・編集者・運営者は一切責任を負いません。また、運営者はテスラ株式のホルダーです。


コメント