テスラモデル3、納車4年半でバッテリー劣化率は?まさかの増加現象を徹底検証!

model-3-sr-plus TESLA Blog
スポンサーリンク

今回は、2021年3月に納車されてからちょうど4年半経過したギガ上海製テスラモデル3スタンダードレンジ・プラス(SR+)のバッテリー劣化状況について、レポートしてみたいと思います。これまで半年ごとに劣化状況を追ってきましたが、今回は最新のOBD計測データを基に、意外な結果を詳しく見ていきます。

電気自動車のバッテリーの種類と特性

現在BEV(バッテリー・エレクトリック・ヴィークル)に搭載されている駆動用バッテリーは、大きく分けて三元系と呼ばれるNMC(ニッケル・マンガン・コバルト)バッテリーとLFP(リン酸鉄リチウム)の2種類に大別されます。

NMCバッテリーは、エネルギー密度が高く航続距離を伸ばせますが、コバルトなどの希少金属を使うためコストが高く、テスラではロングレンジやパフォーマンスグレードに採用されています。パナソニックやLG化学が主な供給元で、通常80%充電を推奨し、過充電を避ける運用がバッテリー寿命を延ばすとされています。

一方、LFPバッテリーは低コストで安定性が高く、長いサイクル寿命が特徴ですが、エネルギー密度が低く低温性能が劣る点があります。中国CATL社製のものが多く、テスラのエントリーグレード(RWD)に搭載され、テスラの公式マニュアルでも週1回の100%充電が推奨されています。

このLFPは、化学構造が安定しているため、NMCに比べて劣化が緩やかで、満充電を繰り返してもダメージが少ないのが利点です。ただし、バッテリー管理システム(BMS)のキャリブレーションにより、表示される容量が変動することがあり、これが一時的な「増加」現象を引き起こす場合もあります。今回のモデル3SR+は、中国CATL製LFPバッテリー(初期容量55.1kWh)で、自宅充電を中心に2週間ごとに100%充電を維持し、直近2年はスーパーチャージャーでの急速充電を多用した運用を続けています。こうした特性を踏まえ、劣化の要因として温度、充電方式、サイクル回数が影響することを念頭に置いてレポートします。

4年半経過時点でのバッテリー劣化状況

OBDでの満充電は50.6kWh
航続距離は398km

今回、納車から4年半経過したギガ上海製テスラモデル3スタンダードレンジ・プラスのバッテリー劣化状況を、スーパーチャージャーでの満充電時航続距離とOBD表示で確認しました。過去のデータをまとめると以下の表のようになります。

時期満充電時の航続距離満充電時のOBD表示累計走行距離
2021年3月425km(?)20km
2022年3月418km53.4kWh4,700km
2022年9月411km52.2kWh7,100km
2023年3月405km51.6kWh9,200km
2024年3月396km50.6kWh13,300km
2024年9月394km50.5kWh16,300km
2025年3月393km50.1kWh19,500km
2025年9月398km50.6kWh22,000km

本日時点のOBD計測では、Nominal Remaining(残存容量)が50.6kWh、Ideal Range(理想航続距離)が398kmとなり、前回(2025年3月)の50.1kWh、393kmから増加しています。航続距離でみると納車時425kmから93.6%(劣化6.4%)ですが、累計走行距離は22,000kmに達し、1年あたり約5,000kmのペースです。劣化スピードは最初の2年で急だったものが、3年目以降緩やかになり、一般的なEVバッテリーの傾向通りです。急速充電の割合が高い運用でも、大きな影響は見られません。

バッテリー容量増加現象の検証

今回の計測で興味深いのは、前回の記事時点(2025年3月)からバッテリー容量がわずかに増加している点です。これはLFPバッテリーの特性によるもので、劣化が逆転したわけではなく、BMS(バッテリー管理システム)のキャリブレーション効果と考えられます。LFPは構造が安定しており、満充電を繰り返すことでセル間のバランスが最適化され、表示容量が一時的に回復することがあります。特に、テスラのマニュアルで推奨される週1回の100%充電は、バッテリーの状態をリセットし、正確な容量推定を向上させる役割があります。

実際、私の運用では直近でスーパーチャージャー急速充電を増やし、残量20-70%から急速に充電後、自宅で継ぎ足し100%にするパターンを継続。これにより、SOC(充電状態)が101%を超えるキャリブレーションが発生し、容量表示が上方修正された可能性が高いとかんがえられます。

温度影響も無視できません。夏場はバッテリー効率が高く、冬季の低下が回復する形で表示が変わるケースがあります。ただし、これは本当の容量増加ではなく、あくまで推定値の調整です。以前紹介しているリカレント社のデータでも、LFPはNMCより劣化が少なく、こうした変動が起きやすいと報告されています。急速充電の影響はほぼなく、むしろ定期的な満充電がLFPの長寿命を支えているようです。

まとめと今後の展望

以上のように、4年半経過したテスラモデル3のLFPバッテリーは、全体として緩やかな劣化を示していますが、容量増加現象はLFPの安定性とBMSの賢い管理によるものです。仮にこの傾向が続けば、10年後でも80%以上の容量を維持し、航続距離340km以上は確保できそうです。

EV購入時の懸念であるバッテリー劣化は、温度管理と適切な充電で最小限に抑えられることが実証されました。今後、テスラのOTAアップデートでエネルギー効率がさらに向上すれば、劣化を感じにくくなるでしょう。ただ、ハードウェアの陳腐化(例: MCUの進化)が先に問題になるかも知れません。電気自動車のバッテリーはスマホのように急速劣化しないのが実態です。これからテスラを購入する方の参考になれば幸いです。

テスラ関連の最新記事を毎日随時アップしていますので、過去のニュースはこちらを参照ください。

※免責事項:この記事は主にテクノロジーの動向を紹介するものであり、投資勧誘や法律の助言などではありません。また、記事の正確性を保証するものでもありません。加えて、記事内のリンクにはアフィリエイトリンクが含まれていることがあります。また、掲載情報によって起きたいかなる直接的及び間接的損害に対しても、筆者・編集者・運営者は一切責任を負いません。更に、運営者はテスラ株式のホルダーです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました