テスラは、スウェーデン運輸庁と同国の郵便局を相手取り、同社の自動車用ナンバープレートの配達を拒否されたとして2件の訴訟を起こしましたが、スウェーデンでのこの戦いに小さな勝利を収めることができました。提訴から数時間後、スウェーデンの裁判所はテスラを支持し、1週間以内にナンバープレートを同社に届けるよう仮差し止め命令を出しました。
「ありがとう、スウェーデン！」
11月20日、スウェーデンの郵便事業会社ポストノルドの労働者たちは、テスラがIFメタルと労働協約を結ぶまでナンバープレートの配達を拒否するという同調ストライキに参加しました。先週から、郵便事業会社の労働者はスウェーデン運輸庁によるテスラのナンバープレートの配達を妨害している状況です。
ロイター通信によると、テスラは今週月曜日に2つの別々の訴訟を起こし、スウェーデン運輸庁にナンバープレートを直接引き渡すか、別の方法で配送する回避策を見つけるよう裁判所に求めました。数時間以内に、ノールコピング地方裁判所はテスラに味方し、スウェーデン運輸局は7日以内にプレートをテスラに引き渡すか、100万スウェーデンクローナ（約1400万円）の罰金を支払うよう判決を下しました。
この判決に対してテスラのイーロン・マスクCEOはXに「ありがとう、スウェーデン！」と投稿しました。
ストライキは収まらず
そしてテスラへの他の配達や郵便物も妨害しているポストノルドに対する2件目の訴訟は、まだ裁判所の判決待ちの状態です。ブルームバーグによると、ポストノルドはいわば「手が縛られて」おり、この件に関して何の力もないと述べています。
それでも、スウェーデンでの騒動がゲームオーバーになったわけではありません。郵便労働者、港湾労働者、清掃員、電気技師を代表する組合が、テスラがIFメタルとの労働協約に署名するまで行動を起こすよう今でも呼びかけています。ノルウェーでは、ノルウェーの民間部門で最大の組合であるフェレスフォルブンデットも参加し、スウェーデンのテスラがノルウェーの港に入港するのを阻止すると発言しています。
労働組合はスウェーデンの労働者にとって必要不可欠な存在であり、他の労働組合が企業と対立した際に圧力をかける幅広い非常に強い力を持っています。労働者の約90％が労働組合に所属し、給与、保険、年金の標準化や労働条件の保護に取り組む仕組みによって保護されています。
実はこの類いの話は前例がないわけではありません。1995年、スウェーデンに進出した米国トイザらスは、スウェーデンの小売店従業員組合との団体協約の締結を拒否し、同様の戦いに直面しました。その結果、トイザらス製品のボイコットを奨励する他の国々とともに、労働組合が配送を妨害し、同社の業務を麻痺させた3ヶ月間の連帯ストライキの後、米国の玩具会社は最終的に契約調印に至りました。
テスラは2013年に初めてスウェーデンに進出し、スウェーデンの労働市場の規則に従っていると述べています。それでもテスラは団体協約を締結しない方針で、テスラの従業員はIFメタルが要求する雇用条件よりも堅実、あるいはそれ以上の雇用条件を有していることを根拠としています。
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