マスクが語る“分散AIフリート”構想とは
イーロン・マスク氏は、自動車業界を超えた大きな構想を再び抱いています。それは、使用されていないテスラ車を巨大な「分散型推論フリート」に変えるという構想です。何百万台もの車が持つ集合的な計算能力は、最終的には世界最大級のデータセンターに匹敵するだろうと示唆しています。
テスラの第3四半期の決算説明会において、マスク氏は、このアイデアは、強力な AI コンピューターを搭載したテスラの車が、ほとんどの時間をパーキングで使用されていないことに気づいたことから生まれたと語りました。
「私が考えたことの一つは、おそらく暇にしているであろうこれらの車をすべて活用すれば、実際に巨大な分散型推論フリートを構築できるのではないか、ということでした」
テスラCEOは、1億台の車がそれぞれ約1キロワットの演算能力を提供すれば、世界中の車群で「100ギガワットの推論能力」を解放できる可能性があると試算しました。
この構想の核心は、駐車中のテスラ車が未使用時にAIワークロード処理のための計算リソースを提供するというものです。マスク氏はこのシステムを同社の将来にとって「重要な資産」と表現しました。パワーと冷却は既存の車システムで対応可能なため、理論上は効率的で拡張性のある構想となります。
支持と懸念が交錯する“AI車両ネットワーク”の未来
マスク氏の先見的な発言の多くと同様に、分散型AIフリートの構想には様々な反応が寄せられています。支持者は遊休車ハードウェアの収益化における革新的な手法と捉える一方、批判派は所有者が自車のシステム参加に同意するかどうかを疑わしいと指摘しています。
自宅の駐車場に停めている間、自身の車が世界規模のコンピューティングネットワークの一部となることに不安を感じずにはいられません。
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