電気自動車を内燃機関自動車と比較して検討する場合、総所有コストは最も興味深い要素の一つです。
本日は、エントリーレベルの2021年型テスラ モデル3 RWDの総所有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)を他のいくつかのモデルと比較したテスラのインパクトレポート2021からご紹介します。
一般に、TCO分析で最も大きな項目は、車両購入に関する初期費用です。通常、電気自動車の価格は従来の内燃機関モデルよりも高くなります。しかし一方で、メンテナンスとエネルギーコストは、電気自動車の方が低くなるという傾向があります。
テスラは、残存価値の重要性にも言及しています。テスラの中古車の場合、「発売当初から例外的に堅調に推移しています」。また、この分析には、税金、手数料、インセンティブ、融資、保険といったものも含まれています。
2021年型テスラ モデル3 RWDのTCO
テスラによると、2021年型テスラモデル3RWDの5年間、6万マイル(約96,500km)の総所有コストは、約0.63ドル/マイル(総額37,800ドル)だとしています。
テスラは、モデル3の所有コストは、BMW 3シリーズ(性能と「プレミアム」機能の面でより適切な競合として示されている)よりも、トヨタカムリ(アメリカで最も売れているセダン)に近いと強調しています。
「テスラ・モデル3は、ベース価格はBMW 3シリーズに近いですが、1マイルあたりの総所有コストは、アメリカのベストセラーセダンであるトヨタ・カムリに近い水準です。」
このグラフによると、2021年、トヨタ・カムリの総所有コストは約0.52ドル/マイル(総額31,200ドル)だったそうです。BMW 3シリーズは0.8ドル/マイルを超えるようです。
つまり、テスラモデル3RWDは、トヨタカムリよりも5年6万マイルで21%、6,600ドルも所有コストが高いということです。初期費用はカムリよりも高くなりますが、ランニングコストの低さで一部相殺されるという状況です。
2021年と2020年のTCO比較
興味深いのは、2021年型テスラ モデル3 RWDと2020年型テスラ モデル3 スタンダードレンジプラス(SR+)のTCOの比較でもある。
2020年のインパクトレポートにおいて、テスラは、2020年のテスラ モデル3 SR+のTCOが、同じ5年間、6万マイルの場合、0.55ドル/マイル(合計3万3000ドル)であることを明らかにしました。2021年のTCOは2020年のTCOより15%近く、0.08ドル/マイル(合計4,800ドル)高いということです。
当時、トヨタ・カムリは0.50ドル/マイル(合計3万ドル)と試算されていました。つまり、トヨタの増加分は4%、$0.02/マイル(合計$1,200)だったという事です。
要するに、エントリーモデルのテスラ・モデル3RWDとトヨタ・カムリの値ごろ感の差は2020年より2021年の方が広がったという事です。
テスラのTCOが高くなった主な理由は、価格上昇だと推測されます。2020年末のテスラ モデル3 SR+の価格は36,490ドル、2021年初頭はまだ4万ドルを切っていましたが、2022年4月現在、テスラ モデル3 RWDは46,990ドルからになっています。
価格上昇は、テスラの中古車価格の上昇(低償却/高残存価値)により、TCOで一部相殺されていますが、価格の推移を考えると、2022年もTCOは上昇し続けると考えられます。
最後に注意すべき点は、テスラ モデル3 RWDは、LFPバッテリー(安価なリン酸鉄型バッテリー)を搭載したエントリーモデルとなっています。航続距離の長いバージョンや他のテスラモデルはより高価であるため、そのTCOはさらに高くなることが予想されます。
つまりテスラの購入を検討する人は、0.63ドル/マイルの値(5年6万マイルで合計37,800ドル)をあくまでベースケースとして扱うべきということになります。
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