液体なのに「食物繊維」?

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Steve BuissinneによるPixabayからの画像

まず結論から

 みなさん、大塚製薬ファイブミニを見て、買って、飲んで「液体なのに食物繊維?」と思われたことはないでしょうか?まず、結論から言いますと「食物繊維」という用語に引きずられてしまいますが、簡単にいいますと「消化できない炭水化物」を指します。

「食物繊維」=人の消化酵素で消化できない炭水化物の総称

 ということですので、液体であろうが固体であろうが食品栄養表示上の「食物繊維」は消化されない炭水化物という意味で、その代表格が植物の主成分のセルロースなので、このように表現しています。

 それでは少し詳しく見ていきましょう。

見向きもされなかった食物繊維

小麦ふすま

 お聞きになったことはあまり無いかもしれませんが、「小麦ふすま」とは、小麦製造工程で出てくる「小麦の皮」の部分を「ふすま」といいます。お米でいうと「米ぬか」に相当する部分なので、なんとなく栄養豊富なイメージができるかと思います。

 この「小麦ふすま」には、鉄分やカルシウム、マグネシウムといったミネラル成分に加えて、セルロースを主成分とする不溶性の食物繊維が豊富に含まれています。この効用については、古代ギリシアのヒポクラテスの時代から知られていたとのことです。

食べ物のカス

 ギリシアの昔には便秘などへの効用は知られていたのですが、少し前まで食物繊維は、エネルギー源として使えない」「必要な栄養素まで消化・吸収されにくくしてしまう」「食べ物のカス」と考えられていました。事実、食物繊維は人が持っている消化酵素によっては消化されないので、結局排泄される運命ではあります。

食物繊維とは

食物繊維の定義

 「食物繊維」というと字の通り食物に含まれる繊維質を想像しますが、栄養素で言う「食物繊維」の定義は、要するに体内で消化できずに排泄されるものの総体を指す用語です。つまり、体内で消化されない代表格が植物の繊維質なのでこれを代表して「食物繊維」と表現しています。

食物繊維 = 「消化酵素で消化されない難消化性成分の総体」

第6の栄養素

 食品栄養表示のエントリーでもご紹介しましたが、エネルギー源になる栄養素として、炭水化物・脂質・タンパク質があり、これらを「3大栄養素」と言います。これに、ビタミン、ミネラルを加えて「5大栄養素」といい、エネルギーになったり、血・肉・骨になったり、身体の調子を整えたりする機能を担っています。

 最近では、その効用に着目して、身体の成長維持に不可欠というとで、この「5大栄養素」に今回話題にしている「食物繊維」が加わっているのです。

第6の栄養素 = 食物繊維

食物繊維の種類

 結局、食物繊維の正体は食品で「消化されないものすべて」ということなので、繊維のイメージ通り筋状の固体もあれば、ネバネバした粘液からサラサラした液体まで多様な姿をしています。

食物繊維主な種類多く含む食品

不溶性
食物繊維

セルロース穀類・豆類・野菜
ヘミセルロース穀類・豆類・野菜・海藻・ごぼう
リグニン豆類・小麦ふすま・ココア
不溶性ペクチン野菜・果物(未熟)
キチンカニ、エビの殻
水溶性
食物繊維
水溶性ペクチン果物(完熟)
グルコマンナンこんにゃく
ガム質大豆・大麦・ライ麦
アルギン酸昆布・わかめ

不溶性食物繊維

セルロース(cellulose)

 地球上で最も多いとされる高分子で、植物の細胞壁の材料です。樹木はその7割程度がセルロースからなっていると言われるように「食物繊維」の代表格です。実はセルロースはグルコースがたくさん集まった構造をしていますので、食品以外にもバイオマスとしても活用されています。

ヘミセルロース(hemicellulose)

 植物は7割がセルロースなのですが、その細胞壁からセルロースと水分を除いた残りの部分を「ヘミセルロース」といいます。ですので、植物には必ず含まれています。

リグニン(lignin)

 「セルロース」と「ヘミセルロース」、「リグニン」の3つで植物のおよそ95%が構成されています。

不溶性ペクチン(insoluble pectin)

 不溶性ペクチンは、あまり熟していないりんごや柑橘類の果皮に含まれる成分で、果物に豊富な食物繊維です。果物が熟すに従って水溶性ペクチンに変化していきます。水溶性ペクチンにはゲル化していく特性がありますので、この変化を利用して作られるのが果物のジャムです。

キチン(chitin)

 カニやエビの外骨格の主成分で、分子構造がセルロースの構造に類似しています。つまり、植物の骨格がセルロースだとすると、カニやエビといった甲殻類の骨格がキチンです。

水溶性食物繊維

 上表の下欄4つ、完熟した果物に含まれる「水溶性ペクチン」、こんにゃくに含まれる「グルコマンナン」、大麦類に含まれる「ガム質」、昆布やわかめのぬめり成分「アルギン酸」などが挙げられます。

 特に水溶性食物繊維の特性として主に以下の効果があるとされています。

  • 水分保持能力がつよく、腸内の食物の水分を高める効果がある
  • 小腸内で栄養素の消化吸収を抑えて遅らせる効果がある
  • 腸内の有害物質を吸着して体外へ運びだす働きをする

 「食物繊維」という用語に惑わされそうですが、結局消化されないものすべて、ということですのでそういう意味では液体があってもなんとなくイメージできますね。

 

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